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地球温暖化の?

いまや世界的常識となっている
「地球温暖化CO2原因説」
でも、これがまた怪しいもので…。



科学者の9割は
「地球温暖化人為起源説」を信じていない


●2008年5月25日から29日にわたり、地球惑星科学連合大会(地球に関する科学者共同体48学会が共催する国内最大の学会)で『地球温暖化の真相』と題するシンポジウムが開催された。

●その時に、過去50年間の地球の温暖化が人為起源なのか、自然起源なのか、さらに21世紀はIPCCが主張する一方的温暖化なのか、あるいは私が主張する寒冷化なのか、そのアンケートを行った。

●それによれば、「21世紀が一方的温暖化である」と主張する科学者は10人に1人しかいないのである。
一般的にはたった1割の科学者が主張することを政治家のような科学の素人が信用するのは異常である。さらに、テレビ番組や大手新聞などのマスメディアは二酸化炭素悪玉論を展開し……

●世界全体で排出する二酸化炭素は今後毎年1~2ppm程度増えるとしよう。これを温度に換算すると、0.004~0.008℃の上昇にしかならない。京都議定書が定める排出規制を守ったところで、温暖化抑止効果はほとんど期待できない。

仮に、日本のすべての企業を倒産させ、国民が縄文時代の生活に戻ったとしよう。化石燃料ゼロの時代になったとしても日本の貢献を抑制できた気温上昇に換算すると、0.00002~0.00004℃にしかならず、まったく意味がない。

●「古気候と文明の衰退の関係」を研究してきた研究者は、研究の常識として温暖化は文明の興隆の主因であるといい、寒冷化は国家を崩壊させ、世界を動乱の時代に導く原因になるという。二酸化炭素は植物にとってかけがえのない食糧であり、動物はその上に成り立っている。

●マスコミは、崩壊する南極の氷床の映像を流し、洪水の被害の原因を温暖化と決め付ける。これらは、通常の気象現象であり、過去150年間、0.75℃上昇した変化が主因かどうかはわからない。

●砂漠化と食糧・水の不足は、人間の増加が招いた結果であり、温暖化はそれを食い止めるプラスの効果を持つのである。こうした地質学上の常識とはまったく異なる情報を流布しているようでは、マスコミこそが日本を没落に追いやる元凶と言わざるを得ない。

●地球温暖化を声高に訴えている研究者にも大いに問題がある。どんな研究分野であっても、研究予算がなくては研究を行うことはできない。そのため、研究者にとっては予算を得ることは死活的に重要なのである。当然、自分の研究の必要性を世間に訴求しようとするわけだ。ここに組織の本能が作用すると理性を失うことになる。

●これからどのように気候が変動していくのか明らかでないのに、地球温暖化を既成事実として、その対策を打ち出すものだから、おかしな方向へ進みつつあるのだ。
《丸山茂徳(東京工業大学地球生命研究所特命教授、岡山大学地球物質科学研究センター特任教授) 「科学者の9割は「地球温暖化」CO2犯人説はウソだと知っている」》



  気候変動でたらめ論争の罪


気象問題は研究結果次第で何億ドルもの国家予算が動くほど政治化しているため、科学的な客観性を保つのが難しい。


ゴア元米副大統領

●地球温暖化を警告するアル・ゴア元米副大統領のスライド講演は、『不都合な真実』というタイトルで映画や本になった。そのなかでも衝撃的なのは、「ホッケースティック」と呼ばれる地球の気温の変化を表したグラフだ。北半球の気温はほぼ1000年間緩やかに上昇してきたが、20世紀後半になって、ホッケーのスティックの先端のように急激に上向きになった。

●温暖化に警鐘を鳴らす証拠として、これほどシンプルで説得力のあるものはない。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が、01年の報告書の要約にこのグラフと似たものを掲載したのもそんな理由からだ。しかしこのグラフは正確なものなのだろうか。

●02年のある朝、カナダ人のスティーブン・マッキンタイヤーは新聞に載っているホッケースティックのグラフを見て首をひねった。グラフは、カナダ政府が京都議定書を批准すべきかという議論に関する記事に添えられていた。マッキンタイヤーは気象変動について詳しいわけではなかった。しかし数字には大きな興味があった。

●以前に鉱業関係の仕事をしていたマッキンタイヤーによると、鉱業業界では相手をだますときにホッケースティックのグラフをよく使う。「現実はそんなものじゃない」と、彼は言う。

●マッキンタイヤーは、ペンシルベニア州立大学地球システム科学センターのマイケル・マン所長が集めたホッケースティックのデータは、自分の研究結果とは一致していないと主張。最近の温暖化が周期的な原因によって起きていることを示していると断言した。

●マッキンタイヤーに続いて、アマチュアの気象研究家たちが温暖化説のあら探しに着手した。彼らは時には情報公開法を盾にして科学者に根拠となるデータを見せるよう要求した。科学者側はこれを断固として拒否し、過去6年間にわたる論争がブログ、各国議会、IPCCの審議会で続いている。

●09年11月に英イースト・アングリア大学から私的電子メールが大量流出した。メールは著名な科学者たちの客観性を疑わせるような内容で、送り手の一人である同大学気象研究機関のフィル・ジョーンズ所長は12月に辞職した。

●地球温暖化の「懸念派」と「懐疑派」の闘いは、この「クライメート(気候)ゲート」と呼ばれるデータ隠蔽疑惑に関係するジョーンズら科学者の名声を大きく傷つけただけではない。気象科学そのものの信頼性にも打撃を与えた。

●最近のIPCCはほころびが目立っている。07年の報告書にある「ヒマラヤ山脈の氷河は2035年には完全に姿を消すだろう」というくだりは、論文審査のある学術研究誌からの引用ではなく、99年の英科学雑誌ニューサイエンティストから拝借したものだったと判明した。

●さらに評判を傷つけたのが、パチャウリ議長がドイツ銀行や投資会社ペガサスといった金融機関のコンサルタントを務めていること。「政治的中立」をうたう科学関係機関のトップが銀行のコンサルタントになるのはおかしい、と思う人間は多い。彼の辞任を求める声もある。

●パチャウリよりも大胆に客観性という前提を捨て去った科学者もいる。NASA(米航空宇宙局)のゴダード宇宙研究所長のジェームズ・ハンセンだ。コンピューターによる気候シミュレーションを考案し、気温変化のデータをまとめ上げた初期の学者の1人だ。

アメリカでは、気象科学は既に大衆の支持を失いつつある。米世論調査会社のラスムッセンによる08年4月の調査では、気候変動は人為的な原因によるものだと答えたアメリカ人は47%、自然変動が原因と答えた人は34%だった。

●だが今年2月に発表された最新調査では数字が逆転。人為的な原因によると答えた人は35%、自然変動と回答したのは47%だった。
     《フレッド・グタール
          NEWSWEEK2010/3/10》


●国、自治体、企業、大学などで、7年間でほぼ20兆円が、「CO2排出を減らすため」に使われました。その20兆円は、CO2排出を減らし、本来の目的(地球の冷却)に役立ったのでしょうか?

●答えはノーです。「CO2削減活動」がCO2排出を減らした形跡はありません。2008年度から09年度にかけ排出量は少し減りましたが、その主因を環境省も、「金融危機で景気が落ち込み、エネルギー消費が減ったせい」と正しく分析しています。
また当然ながら、20兆円が地球を0.001℃なりと冷やした気配もありません。

●さて地球温暖化問題とは、大気にCO2が増えている事実を気にかけて、以下を三本柱とする話でした。要するに「人為的CO2脅威論」です。
 
 ①大気中のCO2は、おもに人間活動
  (化石燃料の燃焼)が増やす。

 ②そのCO2が地球を暖めている。

 ③地球の平均気温が上がると、悪いことが
  あれこれ起きる。

●少し考えるとわかるように、①~③のうち1つでも誤りなら、話はたちまち崩壊します。つまりCO2脅威論は、①~③を三本脚とするテーブルのようなものでした。

●実のところ「三本柱」は、どれもまだ仮説にすぎません。それどころか、ここ数年間にどんどん劣化し続け、とりわけ2011年には、科学面でも政治・経済面でも、完全崩壊を予感させる出来事が次々に起きました。人為的CO2脅威論が、いま「終わりの始まり」を迎えているのです。

●どこからどう見ても「地球温暖化」は問題にするような話ではなく、したがって巨費をつぎこむ「温暖化対策」は無意味きわまりない---そのことをおわかりいただけるよう祈りつつ本書をまとめました。

●いま私たちは、大気中のCO2が食糧を増やす美しい時代を生きている。そんなCO2を毛嫌いし、減らそうとする「低炭素社会」の発想は、狂っているとしかいいようがない。

命や健康にも、寒いより暖かいほうがいい。日本を含む11ヵ国につき、国民の死亡率を年平均値と比べた場合、寒期は10~20%ほど増え、暖気期は5~15%ほど減る---という数字を2009年、ファラガスらがカナダの医学雑誌に発表している。温暖化が事実なら「いいことずくめ」のはずなのに、温暖化のプラス面を語る人が少ないのはなぜなのか?

●IPCCの元幹部、スタンフォード大学の気候学者シュナイダー教授が1989年、「ディスカバリー」誌の記者にこう語った。
「国民をその気にさせるには、……メディアにどんどんいわせるんです。あやふやな部分は伏せて、国民がドキッとしそうな話だけをズバリとね」

●人為的な気候変動を頭から「危険」と決めつけ、どれほど危険なのか、どんな対策があるか調べるのがIPCCの使命だった。そんなIPCCは、人為的CO2温暖化が大きな問題ではないとわかった瞬間に存在意義を失う。だから組織の存続には、異説を抑え、温暖化は危険だと言い続けなければいけない。そこを明るみに出したのがクライメートゲート事件だった。

●2009年11月17日、メール1072通を含む大きな文書ファイルを、誰かが米国の複数ブログサイトに載せる。メールのおもな交信者は、27名にのぼる。うち19人までがIPCC報告書の執筆や編集に深くかかわっていた。以下で交信メールの一部を紹介しよう。
1999年11月16日にジョーンズは、マンほかに宛ててこう書いた。

〈マンが「ネイチャー」論文でやったトリックを使い、気温低下を隠す作業を完了。ブリッファのグラフを1960年で切り、そのあとに温度計データをつないだんだ〉

●オーストラリアの研究者がデータを請求した際、ジョーンズはこう返信した。(2005年2月21日)

〈WMO(世界気象機関)が同意しようとも、君にデータは渡さない。われわれは25年もこの研究に投資してきた。アラ探し目的の人間にデータを渡すつもりはない〉

もし「対策しよう」といいたいのなら、地球を0.000001℃も冷やさないのは承知の上で、せめて発行部数を大幅に減らすのが言行一致というものだ。そんな気配がない以上、記者さんも新聞社も、本気で温暖化を心配してはいないのだと思う。

    《渡辺正(東京大学教授)
        「「地球温暖化」神話」》



     



 エセ科学に踊らされる日本は
           「沈没」寸前


●日本は沈没しかかっている。CO2の排出を25%も削減するというばかげた政策のために、世界のカモになろうとしているのだ。それに国内では、経済が停滞し、CO2削減の目標年になっている2020年には国民の年収は半減し、若者は完全にスポイルされて、将来に夢を持てない国家に成り下がっているに相違ない。どうして、こんな奇妙なことが白昼堂々と行われるのだろうか?その第一の理由は、NHKと朝日新聞のうち続くウソ報道である。

●その結果、多くの日本人は「世界の人々が心を合わせてCO2の削減に努力をしている」という夢物語に惑わされている。それがノーテンキな鳩山首相の「25%削減」演説となり、事実誤認のまま、将来に向かって突撃しようとしている。

●日本人は「地球温暖化」というのが「科学の問題」ではなく、1988年のアメリカでの穀物不作による価格高騰という「政治」からスタートしたことを、まずハッキリと知らなければならない。

まっとうな科学者は当時も今も「将来の寒冷化」を支持していたからである。温暖化というエセ科学と政治のつながりは、9年後のCOP3、つまり京都会議になってますます明確になった。

●科学的には世界が寒冷化するか、温暖化するかは判らない。気象の学問が世界的な気候の予測ができる段階にないのだ。だから出来ないものは出来ない。自分の思想がどうであれ、学問的に結論が出ないのは知恵の限界だから仕方がない。

そもそも地球は温暖化していない。その強力な証拠を3つあげよう。
まず第一の証拠。北極の氷は融けていない。2010年3月31日の人工衛星からの写真を示したが、北極海は全面結氷していて、これ以上、氷が張ることはできない。

●第二の証拠。地表の気温は都市のヒートアイランド現象の影響を受けるが、上空の気温は都市化の影響がすくない。渡辺正東京大学教授提供のグラフは人工衛星で測っている上空の気温だが、驚くことに急激な温暖化が進んでいるとされる最近の30年間、全く変化していない。気温が上がっているというのは、地表の寒暖計の記録だが、寒暖計が都市部に偏在しているので、CO2による温暖化ではなく、単なる都市だけの問題の可能性が高い。

●そして三番目の証拠。「クライメートゲート事件」と呼ばれるIPCCのデータ捏造が次々と明らかになっている。もし、温暖化が「本当に起っている」なら、データを捏造する必要は無い。

●温暖化して北極と南極の氷が融けて海水面があがるというのがウソだったことことはすでに明らかで、アルキメデスの法則などの初歩的な物理学の法則さえ理解していれば良い。

●日本でこのようなウソが10年以上にわたって報道されていたことは本当に恥ずかしい。そして、今や数年前まであれほど海水面が上がると言っていた学者はすっかり黙ってしまった。

●NHKが2004年に放送したツバルの水没番組がヤラセだったことが判った。先進国がCO2をだすから南太平洋のサンゴ礁の島の国、ツバルが沈没しているという映像を流したのだが、この映像は2月の大潮を狙ってカメラクルーを出し、波に侵食された地域を撮影したヤラセ番組だった。

●ツバルに広い大地があるのは太平洋戦争の時にアメリカ軍が埋め立てて造った1500メートルの滑走路があるからで、100年前は満潮時には海に沈む島だったのだ。

●「不都合な真実」で多くのウソを書いたゴアはイギリスの裁判所から「間違いが多いから生徒に教えるときにはその旨を断れ」という、恥ずかしい判決を下されているが、表裏の激しいゴアだからと思っていた多くの人は、「IPCCよ、おまえもか!」と衝撃を受けている。コペンハーゲンのCOP15が空中分解したのも、IPCCのウソの衝撃であった。

●矜持を失った日本政府(注:当時は民主党・鳩山政権)が「よい子の建前」だけで突っ走り、国民はヒツジのように従う思考停止の総家畜化になってしまった感がする。
       《武田邦彦 正論2010年6月号》



●「地球温暖化の原因はCO2(二酸化炭素)ではありません」 約50年間にわたって地球物理学を研究してきた権威、赤祖父俊一氏が強調する。氏は、アラスカ大学フェアバンクス校(大学院)でオーロラの研究で博士号を取得、同大学物理学研究所所長、同大学国際北極圏研究センター所長を歴任した。

●半世紀も海外で研究し、外から眺め続けてきた日本の姿は異常だと氏は指摘する。CO2原因説を額面どおりに受け入れ、CO2削減にかくも熱心に取り組んでいるのは日本だけだともいう。

●「省エネでCO2を減らすのは大変結構なことで続けるべきだと思います。しかし、CO2と温暖化に直接の因果関係がないことを示す現象が、かれこれ10年も前から起きていて、少数かもしれませんが、科学者らはそのことを指摘してきました。そうしたなかで、CO2と温暖化が因果関係として結びつけられ、貴重な日本の富と技術が決定的に奪われるとしたら、いたたまれません」と氏は嘆く。

●地球温暖化は、その基本的問題さえ解明されていない新しい学問であることを日本人は知るべきだと、赤祖父氏は強調する。

●氏は言う。「IPCCは75年以降の気温上昇を強調しますが、それは小氷河期からの回復と準周期変動が相まった結果である可能性が高く、IPCCやノーベル賞を受賞した米国のゴア元副大統領の強調とは違い、CO2とは直接の因果関係がないのです。CO2が原因なら、CO2は2000年以降、2009年の現在も急増しているのですから、気温はますます上昇していなければならないはずです。しかし、事実はまったく正反対です。1998年から今日まで10年間、地球の気温は下降線をたどっています」

●とすれば、CO2排出権取引で日本が中国やロシアなどに莫大なおカネを支払うのは、赤祖父氏の指摘するように、いたたまれないことだ。確かに、40年から75年までの準周期変動では、CO2排出量がウナギ登りに増えたのに対し、地球の気温は降下したという事実がある。

●「温暖化問題は国際政治の道具となり、世界経済に深く織り込まれつつあります。もはや科学の域を超えて、経済、利害の次元でのみ語られているように思います。世界を席巻するCO2原因説。それを否定する私は、津波の前に一人で立つ心境です」

●温暖化問題で資金も技術も奪われかねない日本だからこそ、赤祖父氏の提言について、もっと取材し、考えていきたい。
    《週刊ダイヤモンド2009/2/28号》


「温暖化でアルプスの氷河が熔けている」というトリックがあります。確かにアルプスの氷河は、100~200年前と比較しますと、ずいぶん後退していて、現在は標高の高いところしか氷河を見ることができません。

●ヨーロッパの気温は500年から700年の周期で寒暖をくり返しています。17世紀のヨーロッパはたいへん寒く、アルプスには氷河が発達し、イギリスのロンドンのテムズ川の氷はびっしり張っていました。当時の絵画を見ると、テムズ川の氷が厚い状態が続いていて、氷上に店舗が出店しているほどです。

●これほどまでに寒かったヨーロッパの気温ですが、太陽活動が盛んになるにつれて次第に暖かくなり、18世紀の後半にはテムズ川の氷も、ときどき融けるようになり、やがて19世紀になると氷がなくなったのです。

●それに伴ってアルプスの氷河も後退したのは当然のことです。もちろん1800年という年代は、まだ石油も石炭も使っていませんから、二酸化炭素によって暖かくなったのではなく、「太陽活動によって暖かくなった」のです。

●最近ではアルプスの氷河が少しずつ融けていますが、2010年11月の記録によると、スイスの氷河で今から1000年ぐらい前の遺跡が出てきました。
つまり、アルプスの氷河が融けていくと、かつて使っていた峠の小屋などが見つかるので、当時の気温が今とほぼ同じであったことがわかります。

もしも現在の二酸化炭素による温暖化が、これまで人類が経験したことがなようなものであれば、融けた氷河の下から遺跡が見つかるということはなくなります。つまり、現在の気温はわずか1000年前に戻ったというだけに過ぎません。

●この場合のトリックはどこにあるかといいますと、30年ほど前のアルプスの写真と現在のアルプスの写真を見比べて、氷河が後退しているという状況をまず見せます。そして、「このように温暖化しているのだから、二酸化炭素を出すと危険である」という結論を述べるという方法をとるのです。

●科学に強い人は社会にそれほど多くないので、IPCCや世界銀行、それにワールドウォッチ研究所などのアメリカを中心とする国際機関や団体は、「地球が温暖化するのではなく、温暖化を訴えるとお金が儲かるから、温暖化することにしよう」というあさましい考え方になってしまうのです。

●このように私利私欲のために目的をすり替えてしまっていては、何が正しくて何がウソなのか、わからなくなってしまいます。そのために常日頃から、「真実を見抜く目」を養っていかなくてはなりません。

《武田邦彦「新聞・テレビは「データ」でウソをつく」》



※地球温暖化問題は、朝日新聞がシンポジウムなどで必死になって取り組んでいるものである。朝日が主張するものは常に日本にとっては間違った方向であったという「過去の実績」をみると、この事案も反対した方がいい。まったくろくなことをしない新聞社だ。パリ協定など批准すべきでない。日本国民よ、だまされるな!(管理者)

    ↓↓↓ その朝日の取り組み

 
2010年9月2日付朝刊
【朝日新聞社 環境への取り組み】 

国連地球生きもの会議が10月、名古屋市で開かれます。この機会に朝日新聞社は今秋、「朝日新聞環境プロジェクト」と位置づけ、地球を守る取り組みを強化します。地球温暖化や生物多様性の報道をさらに充実させ、各種イベント通して企業市民として環境保護の貢献をめざします。


まあ、ご立派な取り組みである。そこには懐疑派の意見などまったく眼中にない。というか、読者から隠している。常日頃「少数派の主張こそ大切」と口酸っぱく説いているくせに。

そして今回の「パリ協定」についても、次のように嘆いてみせる。

 
2016年10月10日付朝刊
【社説 パリ協定 出遅れ危機の大失態】 

あまりに情けない、大きな失態である。
地球温暖化対策の新しい国際枠組み「パリ協定」が11月4日に発効する。先進国か新興国、途上国かを問わず、世界全体で温暖化と向き合う画期的な取り組みだが、その第1回締約国会合に日本が参加できず、出遅れる恐れが強まっている。

締約国会合は、11月7~18日にモロッコである国連気候変動会議(COP22)に合わせて開かれる。締約国会合に正式メンバーとして参加するには今月19日までに協定を批准しなければならないが、日本はまだだ。(略)

アフリカ諸国や小さな島国も批准を急いだ背景には、干ばつや海面上昇、熱波など温暖化との関連が疑われる異常気象への強い危機感がある。日本は、そうした国々から「我々の困難に冷たい国」と見られかねない。

臨時国会の所信表明演説で、首相はパリ協定にひと言も触れなかった。1990年代の「京都議定書」とりまとめなどで築いてきた国際的な地位や支持がゆらぎかねない事態なのに、危機感はないのだろうか。

協定を早く批准し、国際的な協力や情報発信を強化する。そうした取り組みを積み重ねて挽回していくしかない。


まことにご立派!拍手を送ろう…。






【2019年12月14日更新】

日本はこの度メデタク、2度目の「化石賞」(地球温暖化対策に後ろ向きと認定された国が選ばれる不名誉な賞)を受賞した。朝日などのアホなマスコミは、ここぞとばかり政府を非難するが…(管理者)



 グレタさんの陰で
       環境利権者たちが暗躍


●『「地球温暖化」の不都合な真実』(マーク・モラノ著)には、

「気候変動の要因つまり変数は数百もある。政治的に選んだ1個(CO2)に固執する『対策』など、見当ちがいもはなはだしい」

「気温を決めるのはおもに水蒸気と雲だから、CO2が2~3倍になろうと状況はほぼ同じ」


と海外研究者の見解が紹介されている。《編集部》

●2016年の米国大統領選挙の結果に恐怖した勢力は多いが、その一つに「地球温暖化・CO2原因説」に立つ学者グループがいた。彼らは、ヒラリー・クリントン政権が誕生すれば、潤沢な政府予算が期待できた。ヒラリーはCO2削減に向けた「大風呂敷」的公約を発表していた。

●温暖化ロビーにとってトランプの登場は政治的敗北だったが、彼らは司法の場でも敗北を喫している。
温暖化ロビーが勢いづいたのは、2001年のIPCC第三次評価報告書の発表からである。

●IPCCはこの報告書で「地球は産業革命以来の経済活動によるCO2の増加で、急激に温暖化している」と主張した。その根拠となったのは、マイケル・マン(ペンシルバニア州立大学教授:気象学)が作成したホッケースティック図なるグラフだった。

温暖化グラフ

●そこに描かれたグラフは、ホッケーに用いるスティックが横に置かれたような形状で、産業革命以降の大気中CO2の増加とともに地球が温暖化していることを見事に示していた。この発表から、脱炭素社会への移行が「政治的に正しい」運動となった。

●しかし、少なくない科学者がホッケースティック図の信憑性を疑った。その一人が、ブリティッシュコロンビア州(カナダ)に住むティム・ボール(ウィニペグ大学元教授:地理学)だった。

●ボールは、ホッケースティック図には中世温暖期(11世紀から14世紀)が捨象されていることに気がついた。彼は、マンの主張は出鱈目であると厳しく批判した。そのうえで、自身で作成したグラフを提示したのである。

●二つの図の比較からわかるように、ボールの図には、今よりずっと暖かかった11世紀から14世紀の時代も組み込まれている。温暖化と大気中のCO2濃度の相関がないことは明らかだ。

●温暖化ロビーのスター学者となっていたマンは、ボールの批判が許せなかった。2011年、マンはボールを名誉毀損で訴えた。気に食わない意見を抑え込もうとする典型的な「スラップ訴訟」だった。温暖化ロビーの資金は潤沢である。彼らの地球環境保護の訴えは人間の良心を刺激するだけに、多額の献金が集まるのだ。

●2019年8月23日、ブリティッシュコロンビア州最高裁は、原告(マン)全面敗訴の判決を下した。原告に、被告(ボール)側弁護費用の全額賠償を命じたのだ。

●ホッケースティック図が科学的に正しいか否かは、マンが使用したデータと計算方法の検証が必要である。ボールは、マンに対して原データの公開を求めた(証拠開示請求)。科学論争における名誉毀損案件であるだけに、ボールの要求は合理的なものだった。

●裁判所も同意し、原データの開示を求めたが、マンは頑なにその開示を拒否した。それがマンの全面敗訴の理由であった。

この裁判で、温暖化ロビーの「科学的」主張が、第三者が検証できない「怪しい」代物であることが世に知れた。このような判決が出たことに温暖化ロビーは苦虫を噛みつぶした。

●判決から1月後の9月23日、国連の気候行動サミットで、スウェーデンの16歳の少女が「世界は温暖化対策に消極的だ」と各国首脳を口汚く罵った。幼い子どもを政治プロパガンダに使うのは効果のある古典的手法だが、卑怯極まりない。しかし子どもが泣いて訴えようが、老人が厳かに主張しようが、科学的事実は変わらない。

●カナダは本年4月から、環境保護を名目にガソリンリッター当たり4.4セント(約4円)の炭素税を導入した。放っておけば、日本でも近いうちに炭素税は導入されるだろう。そうしてかすめ取られた税は、日本の、そして世界の環境ギャング(国連に巣くう官僚環境保護グループ)の活動資金として浪費されるのである。
       《渡辺惣樹 WiLL2019年12月号》


●国連の「気候行動サミット」において、「よくも私たちの夢と子ども時代を盗んでくれたな!」と演説し、注目を集めた16歳の環境活動家グレタ・トゥンベリさん。
グレタさん画像
●グレタさんの演説を何度か動画で見ましたが、怒りに顔を歪め、不安に苛まれ涙を流さんばかりでした。彼女自身、アスペルガー症候群(対人関係やコミュニケーション障害などの症状がある)であり、うつ病を患ったこともあると告白しています。

●このような背景を考えると、彼女は心底、環境対策が進んでいないことにとてつもない不安を抱き、怒りに打ち震えているのでしょう。

●そうだとすれば、彼女に与えられるべきは第一に“適切な保護”ではないでしょうか。なぜ彼女の両親や周囲の大人たちは、彼女の怒りや不安を和らげようとせず、逆にそれを爆発させるような大舞台を与えたのでしょうか。

●私にも娘がいます。私は、我が娘が顔を歪ませなければならないほどの強烈な怒りを抱えていたら、すべての仕事を後まわしにし、あらゆる手を尽くして娘を救済すべく努めるでしょう。我が子の救済以上に優先させる仕事など、この世にはないと思うからです。私には、グレタさんにあのような場を与えること自体が、一種の虐待のようにうつります。

●だからこそ私は、日本のマスコミがグレタさんを絶賛する報道だけを繰り返すことに違和感を覚えます。それはあたかもグレタさんを賞賛し、賛同することだけが許されており、批判したり反論したりすることは許されていないかのようです。

●世界に目を向ければ、グレタさんを礼賛する姿勢が必ずしも当たり前ではないことは明らかです。たとえば香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は、
「彼女(グレタさん)は白人左翼に利用されたかわいそうな女の子で、彼女自身もそれがわかっていないのだろう」

「ろくに知識もないのにどうやって環境問題を解決する?彼女の問題は全く学びが足りていないのに考えてばかりいることだ」


といった中国版ツイッター微博の書き込みを例示し、グレタさんについての書き込みのほとんどが否定的な内容であると紹介しています。

    《飯山陽(イスラム思想研究者) 同誌》


 世界が賞賛する16歳の活動家
     「グレタさん」への違和感


●遅々として対応が進まず、状況だけが悪化する現状にグレタさんは「失望」しているわけだ。彼女が突きつける言葉は「あなたたち」、つまりはすべての大人に対する批判であり、そこに宿る感情はもはや「憎悪」と呼ぶのが相応しい。

●にもかかわらず、スピーチを聞いた大人たちは、彼女に賞賛の拍手を惜しまない。日本でも、朝日新聞が〈こうした若者たちの怒りを重く受け止めねばならない〉と社説で持ち上げ、毎日新聞の1面には〈「おとぎ話」はやめて 怒るグレタ世代〉の文字が躍った。

●一方、グレタさんたちの主張は理想主義的であると同時に、かなり極端でもある。CO2を削減するために「石炭火力発言をやめろ」、「飛行機や自動車に乗るな」と訴え、牛のゲップはメタンガスを含み、飼料を育てるのに森林が伐採されるから「肉は食べない」とも公言する。

●「自動車社会のドイツで車通勤を禁止することはもちろん、いますぐ火力発電を再生可能エネルギーで代替することもできません。もし彼女たちの言う通りにすればドイツ経済は間違いなく悪化する。当然、彼らが大人になる頃の景気や雇用、収入にも暗い影を落とすことになります」(川口マーン惠美氏)

デモが終われば子どもたちは暖かく、電気の灯る家に帰り、ベッドに寝転びながらスマホで連絡を取り合う。なかには親に車でデモの集合場所まで送ってもらう子もいるという。

●さらに、グレタさんは国連の会合に参加するため、太陽光パネルや水中タービン発電機を搭載したヨットでニューヨークを目指したが、スタッフは空路で渡米し、船長も飛行機で帰国すると報じられた。こうした「矛盾」をはらんだ活動となっているのだ。

●評論家の唐沢俊一氏もグレタさんが口にする大人への憎悪を疑問視する。
「温暖化問題を巡っては、世代間の対立よりも、先進国と新興国の対立の方が根深い。いち早く産業革命を成し遂げて豊かな暮らしを享受する先進国に対して、新興国はいまだ発展の途上にあります。そんな国々に自然を破壊するな、化石燃料を使うなと説いても納得するはずがない。新興国で貧困にあえぐ子どもたちの未来は一体どうなるのでしょうか

●さらに、評論家の呉智英氏も手厳しい。
「仮に人間の生活が化石燃料を軸とするものから、クリーンなエネルギーによるものに変われば、そこに莫大な利権が生まれます。たとえグレタさんが純粋な気持ちで活動していても、背後には虎視眈々と利権を狙うエコロジストやエネルギー企業のビジネスマンが控えている。結局、グレタさんの意見は先進国の一部の人間にとって都合の良いことばかりなのです。さらに、エコロジーは限りある資源をどう分配するかという問題に行き着く。これは極めて政治的な課題で、綺麗ごとではなく妥協と忍耐で解決するしかありません」

     《編集部 週刊新潮2019年10月10日》


●途上国においては電力の確保が経済成長に直結するので、安価な旧式石炭火力発電の利用が続く。欧州の先進諸国では石炭火力の新設を認めない風潮が強まっているが、途上国への強制は難しい。

●グレタ・トゥンベリさんの母国、スウェーデンは、原子力と水力発電を主力とする脱炭素エネルギーの先進国である。加圧水型と沸騰水型の計8基を擁する世界11位の原子力発電国なのだ。

●スウェーデンは過去に2010年時点での原発ゼロ化を決定した歴史がある。しかし、その後に政府は脱原子力政策を見直し、条件付きで新規建設を認めるように改めるなど、政権交代に伴ういくつかの曲折を経て現在に至っているのだ。

●国際送電線で網の目状に結ばれた欧州とは根本的に事情が異なる日本は自前で安定供給を維持しなければならないのだ。それゆえエネルギーの多様性を保つことが最重要になる。原発にも石炭火力にも存在理由がある。
    《長辻象平(産経新聞論説委員)
             正論2019年12月号》



…地球温暖化の、このような裏面を知ると、グレタさんの「パフォーマンス」をそのまま無批判に受け入れる日本のマスコミの稚拙さ、浅薄さが恥ずかしい。

特に朝日新聞はこの温暖化問題を社をあげて絶叫している。間抜けなのか、それとも知っていてやっている確信犯なのか…。
(興味のある方はこのページを最初から読んで、真っ当な科学者の主張をご覧ください:管理者)



【2019年12月19日更新】

 独鉄道、グレタさんと応酬
      「列車大混雑」の投稿受け


●スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさん(16)は16日までに、ドイツ鉄道の特急の床に座り込む自分の写真と「列車は大混雑」とのコメントをツイッターに投稿した。

●これに対しドイツ鉄道は、グレタさんへの皮肉をツイッターに書き込み、応酬。グレタさんの車両は1等車で、かなりの区間、座席に座っていたと反論した。(共同)
  《詳しくは→日本経済新聞2019年12月17日


…なんか、いや~な感じ。周囲の大人よ、この子に躾を施せ!
ついでに、地球温暖化のダークサイドをどうぞ。(管理者)


 「地球温暖化」説が怪しい
         これだけの理由


●気候システムの科学的理解が進めば進むほど、大気中の二酸化炭素増加が危機的な地球温暖化を引き起こすという仮説に対する疑念が強くなった。

●私が疑念を持っているのは「二酸化炭素の倍増、倍々増が、危機的な温暖化を引き起こす」という仮説に対してである。大気中の二酸化炭素が赤外線吸収によって大気下層部に若干の温暖化効果を持つ、というのは事実であり、疑いの余地が無い。

●気候システムは、現時点での人類の理解力をはるかに超える複雑な非線形プロセスと相互作用を無数に有しており、現実の気候システムに「何となく似ているように見える」程度の気候シミュレーションモデルによる検証では二酸化炭素増加の温暖化効果が実際の気候温暖化に繋がるかどうかは不明なのである。

●断っておくが、私はあくまでも懐疑的なのであって、否定的なのではない。私は、現在の人類には、その極めて難しい疑問に対する明確な答を出す能力は言うまでも無く、ある程度の信頼度を持った推測をする能力と情報さえ無い、と言っているだけである。

●本来、科学者とは、完璧に立証されていない説や理論に対しては、仮にそれが自らの主張であったとしても、いくばくかの懐疑的な見方を保つべきである。その意味で、二酸化炭素増加による地球の危機的温暖化を「信仰する」人達に真の科学者は居ないと言える。
北極クマ

●危機的温暖化説に懐疑的な理由…

①産業革命以来の地球表面の平均気温が上昇したのは確認済みの事実だと信じ込んでいるが、実は、それを裏付ける確固たるデータは存在しない。

②気候シミュレーションモデルの全てが、地球に到来する太陽エネルギーが不変として扱っている。現実には、太陽エネルギーは変動し、地球に大きな影響を与える。

③気候システムにおいて非常に重要な役割を果たしている海洋の流れとそれに関わるプロセスが、気候シミュレーションモデル内では除去されているか著しく歪められているかしており、モデル中の海洋の振る舞いが全く信用できない。

④大きく歪められた海洋モデルの振る舞いに応答する大気モデルの振る舞いも当然大きく歪められている。現実には、大気と海洋は相互に作用しあって非常に複雑な気候変動を励起しているので、それらの相互作用が除去された、あるいは著しく歪められた気候モデル内の中長期気候変動は予測目的には無意味となってしまっている。

⑤地球の大気において、水蒸気は二酸化炭素よりはるかに大きな温暖化効果を持つ最も重要な温暖化ガスである。全ての気候シミュレーションモデルは、水蒸気が絡む物理・化学プロセスのほぼ全てを物理方程式に基づいて計算する事ができない。

大気モデル内で水蒸気・雲・降水の現状をある程度の精度で再現するのは、至難の技なのである。ましてや、それらの将来の変動をある程度の精度で予測するなどは不可能と言っても過言ではなかろう。
お手上げイラスト
●日本国内外で、温暖化説推進派の研究者達は、懐疑派科学者に論理と事実では勝てないから、数で圧倒して懐疑派科学者を黙らせようとしてきた。それだけではない。懐疑派科学者に対して、政府やマスコミから様々な圧力がかけられてきた。

その根拠が弱い仮説を基に政府がバカ騒ぎしてトンデモ税を導入しようと検討しているなど非常にけしからん。

●2013年の10月頃であった。産経新聞の長辻象平氏の取材を受けた私は、氏に「今後35年間程、北半球は若干の寒冷化を経験するであろう」という旨の話をした。そして氏は、そのインタビュー内容を主旨とした記事を産経新聞に掲載された。

●その記事が出た直後であった。突然、環境省の役人から私に直接電話があり、露骨に圧力をかけようとするかの様に慇懃で高圧的な調子で「産経新聞の記事に書かれてあった内容は間違いないんでしょうか」と言ってきた。

●ちなみに、その半年後に海洋研究開発機構との5年契約が終わる予定になっていたが、後に私が所属していた研究プログラムのディレクターから「理由は明らかにされなかったが、中村さんの契約更新はダメだ、と研究担当理事から言われた」という話があった。

●マスコミは大衆向けに、やたらと「温暖化で地球上の氷が減っている」と、氷が減っている地域の報道をして、氷が増えている地域は無視している。

欧米では優秀な科学者達が大声で懐疑論を唱えている。
《元海洋研究開発機構主任研究員・中村元隆
              正論2018年2月号》


【2021年7月8日更新】

     脱炭素の罠

●国際的な環境問題への取り組みにおいても、大きな影響力を有しているのが環境NGOです。彼らはかつて社会主義にシンパシーを抱いていた人たちの流れをくんでいます。個人や企業の活動を制限して経済を計画・管理するというのは社会主義的な発想で、資本主義を否定する側面があると考えれば理解しやすい。

●そんな歴史的背景があるので、環境NGOは自由主義諸国の企業や政府には強烈な圧力をかける一方で、中国政府・企業には甘いのです。

●わかりやすい例が、“環境少女”グレタ・トゥンベリ氏。彼女の背景に環境NGOの大人たちの影が見え隠れしますが、グレタ氏が中国に批判の矛先を向けることは稀で、米国や欧州をメインターゲットにしていますよね。
   《キャノングローバル戦略研究所
             研究主幹 杉山大志》

●民主党のオカシオコルテス氏など急進左派が掲げる「グリーン・ニューディール」には、大量のCO2を排出する航空機の利用制限も含まれています。ですが、果たしてビジネスや経済のことをどう考えているのでしょうか。ここまでくると理想を超えて、もはや宗教に近いと言わざるを得ません。 《櫻井よしこ》
狂信的

●そもそも地球温暖化というには、経済に甚大な悪影響を与える「CO2ぜロ」政策を正当化する理由にはなり得ない。温暖化で台風や大雨などの災害が頻発していると報じられていますが、観測データを見ればすぐに否定できるフェイクニュースです。

●米シンクタンク「ピュー研究所」によるアンケート調査でも、「地球温暖化が米国にとって重要な脅威である」と答えたのは民主党支持者が84%、共和党支持者が27%。トランプ氏に限らず、米国の共和党支持者は温暖化が大した問題ではないことを知っていて、議会でもメディアでもデータに基づいた議論がなされています。

●ところが日本では、保守もリベラルも温暖化それ自体に疑問を投げかけない。省庁には各々の温暖化対策予算が割り振られていて、補助金に群がる企業がある。研究者は政府予算を使って“結果”を残さなければならず、「温暖化で災害が起きる」という論文を発表する―そんな既得権があるからです。《杉山》

●昨年10月、菅総理は所信表明演説で、2050年までに「カーボン・ニュートラル」、つまりCO2排出ゼロを目指すと表明しました。そして12月、税府はその目標を達成するための「グリーン成長戦略」を公表した。どれほどの現実性があるのでしょうか。《櫻井》

●ある程度のCO2削減であれば、経済と環境を両立させることは可能です。ところが、CO2ゼロとなれば話は変わってくる。技術的に不可能ですし、強引に「目指す」と莫大な費用がかかるでしょう。

●今回のグリーン成長戦略は年間100兆円規模とケタ違い。受注した業者や投資家は儲かるでしょうが、その原資は「炭素税」「エネルギー税」といった名目で企業や家計が負担することになる。企業から競争力を奪い、家計を圧迫し、ひいては日本経済全体を傷つける政策にほかなりません。《杉山》

●再生可能エネルギーは将来的に必須のエネルギー源になるでしょうが、現在と近未来を考えれば、どうしても原子力にエネルギー供給の基本を担ってもらわなければなりません。「カーボンニュートラル」を掲げたからには当然、CO2を排出しない原子力の活用が求められます。《櫻井》

●再エネは、安定的に電力を供給する「ベースロード電源」にはなり得ないのが現実です。《杉山》

●エネルギー政策の議論において求められるのは、理想ではなく長期的な戦略と現実的な思考です。「脱・炭素」が世界の潮流である以上、日本も同じ旗を掲げなければ孤立してしまう恐れがある。

ただ、そうは言いながらも米国や中国には、国際社会に向けて旗を立てつつ国内の産業を守っていく“したたかさ”があります。小泉氏や河野氏は理想だけでなく“したたかさ”も持ち合わせているでしょうか。《櫻井》
            《WilLL2021年4月号》