賢者の説得力ホーム東京裁判戦犯とは

  サイトマップ

戦犯とは

そもそも「戦犯」「○級」とは
どういうことなのか。


●戦争犯罪とは何か?…
いくら戦争自体は犯罪ではないといっても、戦争中なら何をやってもいいというわけではない。特に第一次大戦で空爆や毒ガス等が登場、戦場の被害が悲惨を極めたことから、欧米諸国は「戦時国際法」で「交戦法規」を定めた。その要旨は次の4点である…

 ①一般住民・非戦闘員に危害を加えてはならない。
 ②軍事目標以外を攻撃してはならない。
 ③不必要な苦痛を与える残虐な兵器を使っては
  ならない。  
 ④捕虜を虐待してはならない。
…原爆は①~③まで当てはまる。

●A級:「平和に対する罪」 
 B級:「通常の戦争犯罪」 
 C級:「人道に対する罪」…はニュルンベルク裁判での分類である。アメリカはどうしても日本とドイツを同じにして裁きたかった。しかし日本はホロコースト(C級)などしていない。

●そこでABC級の定義をすり替え
  A:「指導者」
  B:「命令したもの」
  C:「実行したもの」
さらに「BC級」と区別を曖昧にして、訴因の構成も微妙に変え、無理やりドイツの裁判と同じような体裁にでっち上げたのである。

●B級とC級の区別ははっきりせず、殆ど「BC級」と一括して呼ばれていた。
    《小林よしのり 「いわゆるA級戦犯」》



A級戦犯…侵略戦争の計画・開始・遂行など「平和に対する罪」を犯したと認定される者。(28名起訴、7名死刑、18名終身禁固刑、2名裁判中に死亡、1名精神鑑定で公判停止)

B級戦犯…従来の戦時国際法に規定された(捕虜虐待など)戦争犯罪者。

C級戦犯…殺害・虐待などの「人道に対する罪」を犯したと認定される者。(B・C級は連合国各国が、東京以外の場所で軍事法廷を開いて裁いた)  
 
 《井沢素彦「なぜ中国人、韓国人に媚びるのか」》
        (他著書「『誤解』の日本史」)



●防衛大・田中宏巳教授…「おおむね国家を戦争に仕向けた政府および軍指導者がA級戦犯に該当し、戦闘中に捕虜や現地住民を虐待した将兵がBC級戦犯に該当した。BとCの違いは、前者が士官、後者が下士官以下を対象とした区別にもとづくが、区別に意味はない」
 《久野勇 松井道男 SAPIO 2005/8/24・9/7》



●「人道に対する罪」は、「国内」の虐待・殺戮を念頭においた法律である。
日本軍による南京虐殺はどうか。国外の一般住民であっても「人道に対する罪」に当てはまるという人もいる。しかし、計画性となるとどうか。これは立証がかなり難しい。むしろ戦闘中の突発的な虐待・虐殺ではないか。少なくとも当時の日本政府や軍に、中国人を絶滅させる意図があったとは思えない。中国人をユダヤ人虐殺のように絶滅させたら、植民地経営が成り立たなくなるわけだから。

戦闘中における一般住民の殺害なら、アメリカやイギリスだって人のことは言えない。軍の暴走による市民虐殺はベトナム戦争でもある。植民地政策を長年やってきた欧米諸国は、歴史を遡っていけば住民虐殺の類はいくらでもやっている。だから内心では、日本を裁きにくかったと思う。 
       《仲正昌樹 諸君!2007/5月号》

●そもそも日本人にとって中国人はいうまでもなく「自国民」ではない。戦争相手国の一般住民への虐殺なら、従来からあった交戦法違反・捕虜虐待などで十分カバーできるはず。

●そう考えてみると、南京事件はわざわざ「人道に対する罪」を持ち出さなくても、通常の戦争犯罪で対処できるわけである。実際、南京事件の責任を問われた松井石根・広田弘毅の判決理由では、訴因にあった「人道に対する罪」について一切言及されていない。
           《日暮吉延 〃 》

●東京裁判の開廷第一日目に読み上げられた起訴状を見ると、「人道に対する罪」が含まれていたのは事実。ところが不思議なことに、被告たちへの判決は「人道に対する罪」には全く触れていない。「人道に対する罪」は判決にあたり、なぜかあっさりと消えてしまうのである。
           《牛村圭 〃 》

●それは判事団が「人道に対する罪」を重視していないことの表れと言える。例えば…
◇レーリングは「東京裁判では『人道に対する罪』の重要度は非常に低い」と明言している。
◇他の判事のメモを読んでも「人道に対する罪」という言葉は殆ど登場せず、「虐待行為」という言葉で議論されていて、交戦法違反で捉えようとしている。
…結局のところ、判事団の「人道に対する罪」に関する考え方はどうもはっきりしない。
            《日暮吉延 〃 》



●兵士が個人的に犯罪行為をしたときは戦争犯罪になるが、上官の命令には絶対服従するのが軍隊の根本原則だから、たとえ命令が捕虜殺害という国際法違反行為であっても、実行者は罪に問われないのが常識だった。

●ところが東京裁判では、末端から上層部に至るまで悉く個人の責任が問われることになった。
第二次大戦後の紛争・戦争では、個人の罪の追及は完全に無視された。これでは戦争が全うできないことに気づいたからだろう。
兵隊たちが「人殺しは犯罪行為だから、あとで殺人罪に問われたら困るのでやらない」と言ったら、国はやはり困る。
     《川口マーン恵美 正論2007/8月号》

●これはダブルスタンダード。ナチスのホロコーストは例外だから適用したというのなら分からないでもないが、東京裁判にまで適用するのは不当このうえない。
         《西尾幹二 〃 》


●ドイツのニュルンベルク裁判条例の中心となる「第6条」は、次のような内容である…

(a)平和にたいする罪
侵略戦争の計画、準備、開始、遂行。または国際条約、合意、保障条約に反する戦争の計画等。または前者の遂行にあたっての共同計画と共謀への関与。

(b)戦争犯罪
戦争の慣習規則違反。この違反には限定されることはないが、占領地域における民間人の殺害、奴隷労働への強制・虐待。戦争捕虜や船員の殺害・虐待。軍事的に不必要な破壊、捕虜の殺害・虐待、公的私的財産の掠奪・破壊、目的もない都市・町・村落の破壊。

(c)人道に反する罪
戦争期間中、以前における民間人にたいする絶滅・奴隷化・連行またはその他の人道に反する行為。本法廷の管轄における犯罪行為またはそれに関連する宗教・政治上の迫害。それらは実行された国の法律に関わることはない。

●この中で、(a)(b)(c)が小文字であることに注意したい。東京裁判の(A)(B)(C)の区分と、このニュルンベルク裁判の(a)(b)(c)は内容が異なり、実は対応していない。日本の「軍閥」は、ナチのような民族浄化を働かなかった。だが、東京裁判におけるキーナンやアメリカ人検事は、わざとニュルンベルクと紛らわしい罪名区分によって、「日本=ナチ」というイメージ操作をしたかったのである。

●しかし、ニュルンベルク裁判はロバート・ジャクソンの個性によって、真実究明の場足りえたのかもしれないが、その「真似」をした東京裁判は、イミテーションが常にそうであるように、真実の場足りえなかった。
   《別宮暖朗 兵頭二十八
          「東京裁判の謎を解く」》


●国際法の大原則(アムネスティ条項)では…
世界中のどこの国のどの戦争でも、講和条約を結べば「戦犯」というものはなくなり、他国から戦犯を批判されることはなくなるのが常識である。国内での戦争責任はあっても、当事国同士の戦争責任というのは追求されることは絶対にない。
     《橋下徹 「そこまで言って委員会」》



      



●東京裁判の「A級戦犯」や「B級戦犯」という言葉は間違いです。正確に訳すと「A項」「B項」「C項」。
A項は侵略戦争を行った罪、B項は戦時国際法違反の罪、C項は捕虜や住民への暴行など人道に反する罪が該当します。
         《倉山満 Voice2015/9月号》

いずれも日本の軍隊とは無縁のもの。
         《上念司 〃 》

●たしかにB項とC項の基準は明確ですが、日本軍には該当しない。A項に至っては、まるで意味がわかりません。当時、国際的に違法ではなかった侵略戦争を、日本に対してのみ違法としてしまうのですから。《倉山》

●戦争を始めた事情は国によって違うけれども、終戦のルールは国際的に統一しなければいけません。《上念》

●通常、負けたほうが賠償金を払って終わり。もしくは領土の割譲です。《倉山》

●それが戦時国際法であり、文明の法です。ところが連合国が文明の法を破ってしまい、戦争に負けた日本をさらに東京裁判で一方的に断罪するという不条理を行ったわけです。《上念》

●東京裁判の突っ込みどころは、50個はありますからね。それだけでこの対談が終わってしまう。《倉山》

●試しに2,3個いってみる?《上念》

●一つ目に、まずこの東京裁判自体が違法です。《倉山》

●被告を裁く根拠になる法律がない。事後につくった基準で訴追すること自体が、法の支配とかけ離れています。《上念》

●二つ目に、まずこの裁判で被告を裁く「原告」はいったい誰なのか。第三者ではなく、争った当事者の一方が裁きの主体になっている。この時点でもはや裁判ではありません。おまけに言うに事欠いて、原告は「文明」である、と言い出した。《倉山》

●三つ目は、先ほどいったように当時、違法ではなかった侵略戦争を現代から遡って訴えていること。罪刑法定主義のイロハもわきまえていません。刑法では、いかに道徳的に問題があることでも、その時点で法律の条文に記されていなければ罰することはできません。過去に遡って生きることができない人間の本質によるものです。《倉山》







【東京裁判】
公正な裁判とは/東京裁判と比較
不当な裁判/裁判の体をなしていない茶番
戦犯とは/ABCランクの意味 
A級戦犯/誤解されている人物像
侵略戦争とは何か/いまだに定義されていない事実
パール判事/唯一理性的だった判事
日本への弁護/近年の東京裁判に対する世界の評価
東京裁判の本質/誰も評価していない単なる復讐・見せしめ裁判
東京裁判受諾/誤解されているその意味
B・C級戦犯とは/その区分と悲惨さ