他国の振る舞いアジア諸国を侵略して
植民地化していた欧米列強は どのような謝罪をしているのか。 また、日本と同じ敗戦国ドイツでは… |
●朝鮮戦争やベトナム戦争は、悲惨さと被害者数の面では大東亜戦争以上である。しかもアジア民衆にとっては大東亜戦争よりもよほど身近な戦いだったにもかかわらず、当事者がケッロと忘れている。中ソが主導し、あれほど大きな物的・精神的犠牲をもたらした社会主義革命争乱についても、たいした責任追及はなされない。 《黄文雄 「日中戦争知られざる真実」》 ●ジョージ・ブッシュ(1991年12月1日、ABCテレビ)…「我々は戦争をしていたのだ。当時の大統領がアメリカの最良の決断として踏み切ったことである。現大統領として私の口から原爆投下を詫びるつもりはない」
《上坂冬子 「歴史はねじまげられない」》 (他著書「死ぬという大仕事」) ●詫びる気はないかと日本人記者に言われて、ブッシュ前大統領はけげんな顔をした。ああ原爆のことだなとすぐ理解して詫びる気はさらにないと答えた。詫びれば補償を求められる。それは自国に不利である。不利なら断るのが大統領として当然である。
《山本夏彦 「その時がきた」》 (他著書「茶の間の正義」) ●戦争に正しい戦争も間違った戦争もない。過去に戦争責任を認め、謝罪した国なんて存在しない。 《舛添要一 「危ない日本を救う20の知的武装」》 (他著書「都知事失格」) ●欧米列強は、未だに過去の侵略戦争を悪とはみなしておらず、謝罪も賠償もしていない。 《山田風太郎 「ぼくらの『侵略』戦争」》 ●先発の帝国主義諸国が、なぜ旧植民地に対して謝罪・賠償をしないのか。 それは、それらの国が戦勝国だったからである。(ドイツは植民地を殆ど持っていなかった) 勝てば官軍・正義など所詮相対的なものに過ぎない。反対なら「英米植民地主義を、日本の共栄共存思想が打ち破った戦い」となる。そうならなかったのは英米が正義だからではなく、単に偶然に過ぎない。 《池田清彦 〃 》 ●アメリカはベトナムを「侵略した」と当時言われたし、現在でも多くの人がそう考えている。おまけに侵略したうえで敗北した。敗戦国が「侵略者」とされた場合は、必ず断罪されなくてはならない。われわれは第二次大戦の責任論でそう聞かされたが…。 ●1856~60年のアロー号戦争は、一方的に戦争を仕掛けて、英仏連合軍が北京の禁紫城まで乗り込んで宝物を奪い、有名な円明園を焼き討ちした大変野蛮な事件だが、これに対してもイギリスは一度も謝罪したことはないし、今日の歴史書でも殆ど自己批判らしい記述はない。あくまで「当時の価値観に照らして評価すべき」という視点を貫いている。 《中西輝政 「日本の『敵』」》(他著書「なぜニッポンは歴史戦に負け続けるのか」) ●中国は1979年にベトナムに攻め込んだが、何か謝罪をしたのだろうか。 《北岡伸一 中央公論2005/6月号》 ●インドネシアは4年間も宗主国オランダと戦ったあげくに、植民地支配の補償どころか、逆に60億ドルもの”独立容認費”を要求された。ジャカルタに運河を敷いてやったろう、道路も作った、パレンバンの油田も開発した。それを払ってもらおうじゃないかというわけだ。 《高山正之 「世界は腹黒い」》 ●フランスにしろイギリスにしろ旧植民地大国は、かつてのように帝国主義の栄光を称えるのをやめたかわりに、植民地の歴史全体にふたをして学校でも教えなくなった。生徒の無知は想像を絶するほどだ。英国の16歳の高校教科書を見ると、ヨーロッパの帝国がいかに世界を分割し、どんな残虐行為を働いたかについては、殆ど一言も触れていない。 《松浦茂長 諸君!2006/8月号》 ●なぜイギリス人は植民地支配について恨まれないのか…絶対に謝らないからである。仮に文句を言われても謝りもしなければ、ましてや金を渡すことは絶対にしなかった。だから相手国も最初は文句を言ったが、いくらやっても無駄だと分かると、次第に無駄なことはしなくなる。 《日下公人 「一問に百答」》 (他著書「日本はどれほどいい国か」) ●以前、「中国がチベットを侵略している」と批判したアメリカのジャーナリストがいたが、中国政府はアメリカ政府に対し「謝罪しろ」と詰め寄った。もちろんアメリカは言論の自由を守り、これを突っぱねた。 《山口令子 「だまってられない」》(他著書「「気」にはあなたを激変させる力がある!」) ●哀れな弱者への謝罪は行われている。大統領も首相も良心的な人だとイメージアップにつながるていの案件でのみ、謝罪は行われている… ◇80年代、レーガン、ブッシュ(父)の両大統領は日系米人の集団収容に謝罪した。 ◇クリントン大統領はハワイ武力制圧を謝り、黒人男性6百余人の梅毒治療の人体実験に謝罪した。 ◇ブレア首相は、アイルランドの「じゃがいも飢饉」に対する政府の無責任を謝った。 …大罪を消すために小罪を告白する。しかし、主権国家としては謝罪しない。国家行為に関わる歴史は謝罪の対象に絶対しないのだ。日本のように、天皇・首相・閣僚が過去の「植民地支配」や「侵略戦争」に対して、毎年のように謝罪や遺憾の表明を繰り返す国は、世界に他にただ1つの例もない。 《西尾幹二 諸君!2007/7月号》 日本と同じ
敗戦国のドイツは… ●朝日新聞ヨーロッパ総局長…「ドイツが、戦後ずっと『過去の克服』に熱心だったわけではない」 「旧西独では、ナチス高官が政権に返り咲くなど、過去の『封印』が長く続いた」。
《佐瀬昌盛 諸君!2005/12月号》 ●戦前のドイツ国防軍の将軍たちは、旧西ドイツ軍の最高指導部を形成して戦後もNATOの一翼を担った。旧軍の高級将校を全面追放した日本とちがい、ヒトラーやロンメルの参謀長だったような人物が、1960年代まで西ドイツ軍を牛耳ってきた。 《中西輝政 「日本の『敵』」》 ●ドイツ人はユダヤ人虐殺を全部ヒトラーにかぶせているが、ホロコーストにかかわったドイツ人は何万人にも及ぶ。日本人は「悪い奴は東條英機だ」と責任回避して逃げるような卑怯なことはしなかった。 ●ドイツはヒトラー政権が崩壊し、米英仏ソの占領が開始された結果、周辺国のどことも条約は結べなかった。だからこそユダヤ人への個人補償を余儀なくされたのである。 《屋山太郎 産経新聞2006/3/13》 ●ドイツの戦争への直視と追及は、日本の「自虐史観」とは比較にならない。1つにはユダヤ系ドイツ人による間断のない熾烈な糾弾もあるが、もう1つにはドイツ人もこうしたナチス糾弾が、ドイツの好戦的なメンタリティを少しでも殺ぐのに役立つと考え、むしろ積極的にナチスの行為を公開している。 ●ドイツは戦後徹底した「謝罪外交」だった。しかしそれは一筋縄ではなく、それに見合うだけの見返りを計算した上でのこと。ただ謝ってるのではない。その目的とは… ①ドイツ統一 ②「ケンカ両成敗」というお墨付きを戦勝国 から得ること ③欧州での地位を高めること ●謝罪される側はもちろんのこと、周囲で見物している国までが「そこまで謝らなくてもいいのに」と言うほど(気味が悪くなるほど)、ドイツ人は丁重かつ執拗な謝罪外交を繰り返し、加担した関連国にも間接的に自戒を求めるデモンストレーションを行ってきた。損して得を取る。もちろん、ユダヤ民族虐殺という試みを行ったドイツには、この選択しか残されていないこともあった。 ドイツの「謝罪外交」をそのまま日本に当てはめよと主張しているのではない。「謝罪外交」を選択したドイツの、その深謀遠慮を見習ってほしいのである。
《クライン孝子 「歯がゆい国・日本」》(他著書「敗戦国・日本とドイツ 戦後70年でなぜ差がついたのか」)
●ホロコーストはドイツの国内政策として始まったことだから、これは一種の政治犯罪である。しかもナチスが勝手にユダヤ人を弾圧したのではない。民衆の合意によって、戦争下ではなく、理性的・冷静に考えられる平時において始められたという点できわめて悪質。それゆえドイツは、ホロコーストに関してはいまだに全面的に謝罪しているのである。 ●ドイツは、戦争を行ったことそのものに対しては、国と国とのいろいろな問題もあったし、ドイツだけが悪いのではないという立場を貫いている。 《井沢元彦 「ユダヤ・キリスト・イスラム集中講座 」》(他著書「世界の裏側がわかる宗教集中講座 ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教、神道、儒教 」) ●戦後のドイツが、強制収容所における民族抹殺という未曾有の犯罪の記憶をすすぎ、殺人者の烙印を払拭するために大胆な施策をとったのは当然のこと。それは良心の問題というよりも、必要上の問題に追われてのことである。 《福田和也 「この国の仇」》 (他著書「俺の大東亜代理戦争」) ●ドイツはいまだ講和条約をどことも結んでいない。国としては戦争の謝罪はしていない。(東西に分かれた戦後にはドイツという国家はなかった、が口実となった) しかし個人としては責任を負うべき人がいる。(ヒトラー以下ナチ党幹部) ●ドイツは戦争に対する「道徳的責任」を国家として負う理由はないと考えるが、ユダヤ人虐殺などのホロコーストに対し個人としての罪を問われるべき人はいる。だからドイツは戦争を謝罪はしないが、ホロコーストに「政治的責任」は負わねばならないとしている。(ただし、個人の罪に対してであるから、支払いも「国家賠償」ではなく、どこまでも「個人補償」でなくてはならない) …ホロコーストはナチがやったことでドイツ国家のやったことではない、と言い張っている。ドイツは国家補償の道を選ばなかったのだ。 《西尾幹二 出典不明》 (他著書「GHQ焚書図書開封1 米占領軍に消された戦前の日本」) ●ドイツの弁明…「12年間にわたるナチ支配は、ドイツの歴史における“異常な一時期”であり、その時期だけナチスといういわば暴力団に歴史が占領されたが、今はドイツは彼らを追い払って清潔な民主国家に生まれ変わった」。 →これでは通らない。歴史に非連続はない。 《西尾幹二 「国民の歴史」》 ●ドイツはナチスのホロコーストには謝罪しているが、侵略戦争には謝罪していない。賠償金も支払っていない。最近各国からドイツに賠償要求の声が上がっている。ドイツは講和さえ結んでいない。戦後処理はやっとこれから始まるのである。 《西尾幹二 産経新聞2005/5/12》 ●「ドイツは自主的に戦犯を裁いた」という意見もあるが…ユダヤ人を匿ったドイツ市民を死刑にした裁判官は、戦後1人も断罪されていない。ナチス党の指導的幹部と人体実験で注射を打った看護婦ら末端の実行犯だけが若干有罪となっただけで、数百万人の旧党員は罰せられることなく社会復帰した。 《松浦光修 「日本を虐げる人々」》 (他著書「日本は天皇の祈りに守られている」) ●1970年12月、ワルシャワのゲットー跡記念碑前で、当時のブラント西ドイツ首相は跪いてナチスの蛮行を謝罪した。これは「ナチスだけが悪く、ドイツ国民の悪くないばかりか犠牲者であった」と同時に世界に訴える世論工作。ドイツ流「すり替え」だが、日本には誤って伝えられた。 《宮崎正弘 「中国人を黙らせる50の方法」》 (他著書「中国・中国人の品性」) |
【戦争責任】 ★戦争責任/日本だけの特殊な対応 ★アジア諸国に対する謝罪/そもそも何を謝らなければならないのか ★村山談話/その怪しい出自 ★日本の戦後賠償/根拠と際限のない要求 ★戦争責任に対する他国の振る舞い/これが国際基準だ |