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他国の憲法

日本国憲法が世界の先を走る
平和憲法だというのなら、
世界の憲法と防衛姿勢は
いったいどんな好戦的なものなのか。


●必要とあらば武力行使を意思表示する権利は、今地球上の殆ど全ての国家が宣言している。(スイスやオーストリアのような永世中立国でも、他国による侵略から自国を防衛するための戦力行使はできるし、そのための法制も整備されている)

●同じように、過去に植民地帝国であり、植民地人民を収奪し、今なお戦力を保有し、自衛権を堂々と主張している国もまた世界中にいくらでも存在する。

    《内田樹 「子どもは判ってくれない 」》


●世界182の成典化憲法のうち149ヵ国(81.9%)の憲法、1990年以降に制定された84ヵ国の憲法のうち82ヵ国(97.6%)に、平和主義条項(平和政策の推進・国際協和・内政不干渉・非同盟政策・中立国家・軍縮・国際紛争の平和的解決・侵略戦争の否認・テロ行為の排除・国際紛争を解決する手段としての戦争放棄・自衛以外の軍隊の禁止など様々)が盛り込まれている。
…日本の護憲派が主張する「世界の唯一」のものではなく、ごく当たり前な規定なのだ。

●彼我の相違は、日本が平和条項を謳いあげてそれで終わりとしているのとは対照的に、彼らは国民の生命や財産を守るために非常事態を規定し、国防に必要な組織・軍隊を持つことを明記し、国防を担う責任は全国民にあるとの自覚を促し、国防の義務を明確にしていることだ。

●スイスで各家庭に配布される「民間防衛ハンドブック」…
◇「われわれが永久に平和を保障されるものとしたら、軍事的防衛や民間防衛の必要があるだろうか。すべての人々は平和を望んでいる。にもかかわらず戦争に備える義務から解放されていると感じている人は、だれもいない。歴史が我々にそれを教えているからである」

◇「スイスは、侵略を行うなどという夢想を決して持ってはいない。しかし、生き抜くことを望んでいる。スイスは、どの隣国の権利も尊重する。しかし、隣国によって踏みにじられることは断じて欲しない」

◇「自由と独立は、断じて与えられるものではない。自由と独立は絶えず守らねばならない権利であり、ことばや抗議だけでは決して守り得ないものである。手に武器を持って要求して、初めて得られるものである」

◇「わが祖国は、わが国民が、肉体的にも、知的にも、道徳的にも、充分に愛情を注ぎ奉仕する価値がある」

◇「共同体全体の自由があって、初めて各個人の自由がある。我々が守るべきはこのことである」
     《櫻井よしこ SAPIO 2006/2/22》


●「賢者は歴史から学ぶ」というように、自分の体験を語るだけでなく、他の民族の歴史からも学ばなければならない。日本国民はたった一度の占領が米国によるものだったために、外国軍の占領を少し軽く考えすぎてはいないか。

●ソ連兵によって乱暴狼藉のかぎりを尽くされたドイツでは、戦争もいやだが占領もコリゴリということで、戦後は「自由のなかでの平和」をスローガンにしている。
…軍備を持つのは戦争をするためではなく、戦争を抑止し、外国に占領されたりすることがないようにするためなのである。
      《加藤秀治郎 諸君!2006/6月号》


●日本以外の国では、独立国が自衛のための軍隊を持つことは「当たり前」。持っていて当然の軍隊を、国益を守るためにどんどん使っていこうというのが「右」の立場であり、軍隊はあくまでも自衛のためのものだから、他国の侵略を受けない限り使うべきではないというのが「左」の立場となる。
ところが日本では、まず軍隊を持つべきか持たないべきかで「右」と「左」に分かれる。こんな国はどこにもない。
      《井沢元彦 「歴史の嘘と真実」》


●非武装中立国家・コスタリカ…
◇たび重なる内戦の結果、政権交代に伴う武力闘争手段を廃した。(外国との戦争経験なし)

◇常備軍はないが、国境警備隊に似た「国家警備隊」という警察軍的組織あり。(国家予算の2%)

◇憲法には自衛権も交戦権も明記されている。(有事の際は議会の三分の二以上の賛成で徴兵できる)

    《小谷野敦 「すばらしき愚民社会」》
 (他著書「本当に偉いのか あまのじゃく偉人伝」)


●日本人が理想とするあのスウェーデンでさえ、1983年、自国の領海を侵犯したソ連のウィスキー級型潜水艦に対して、「領海侵犯のいかなる試みにも実力で反撃する」と宣言し、実際魚雷艇などを使って果敢な攻撃(爆雷投下)を加えたことがあった。そういう体験をすると、さすがのソ連も領海侵犯はできにくくなった。
       《佐々淳行 諸君! 2005/1月号》


ドイツは湾岸戦争の際、イラクに軍隊を送らず(憲法で送れなかった)臆病者と罵られたのをきっかけに、次々と憲法を改正し、ついにボスニア戦争では戦後初めて重装備出動した。しかし、このドイツ軍をなじる近隣諸国はない。むしろ人命救助のため懸命に任務を全うしたと称えられた。

●今やドイツは、ヨーロッパの周辺諸国から頼りになる同志として信頼を得たばかりか、ヨーロッパに占める位置は日一日と高まっている。 

   《クライン孝子 「歯がゆい国・日本」》
(他著書「敗戦国・日本とドイツ 戦後70年でなぜ差がついたのか」)


●戦後、ドイツは中央政府が崩壊したため、日本でいえば県にあたる州の知事13人が集まり、自分たちの手で憲法を作った。西ドイツを占領していた米英仏の3ヵ国が憲法を押し付けようとしたのに対し、国際法を盾に取って抵抗した。(一国の主権が侵害されている時に、その国の根本的な法体系や憲法を占領国が変えてはならない)

●日本ではこの陸戦法を言う人がだれもいなかった。天皇の責任を問わないという前提で、あの憲法を受け容れてしまった。

●今までにドイツは46回の憲法改正をしている。彼らは常に国家を守るにはどうすべきかを考え、行動してきたといえる。
      《櫻井よしこ 「大人たちの失敗」》


   



●スイスにも徴兵制があり、60歳まで国民皆兵である。60歳までであれば、女性でも毎年2週間軍事教練に行く。武器を持たなければ中立を守ることはできない。中立だからこそ武器を持つのである。

●世界で一番古い中立の歴史を持つのはスウェーデンである。スウェーデンは戦闘機をアメリカから買わない。それはアメリカから買うとアメリカに依存することになるからである。軍事産業がしっかりしているので、高性能の車や機械を自国で製造している。それも中立を守るためなのである。そしてスウェーデンも国民皆兵、徴兵制である。平和のために自ら軍事力を充実させているのだ。

●これらの国が軍事力を持とうとするもは、自国を犯す国に対する断固たる態度を示すためである。軍事力があるから戦争になるというのは、まるで子供の議論なのだ。
     《田久保忠衛 「国家への目醒め」》
(他著書「憲法改正、最後のチャンスを逃すな!」)


【憲法論議】
第9条/世界が絶対に模倣しない条文
米国の押しつけ憲法/戦争をしている国が作った矛盾
護憲派に対して/聞く耳を持たない人々へ
他国の憲法/日本国憲法だけが平和を謳っているという欺瞞
集団的自衛権/世界に軽蔑されるエゴイズム国家・日本
自衛隊/世界に誇れる規律集団