賢者の説得力ホーム自虐史観戦争とは

 

戦争とは

もちろん、戦争などあってはいけない。
しかし話はそう単純ではない…


●ビスマルク…「歴史において重要なことは、全て戦争によって決せられた」

●人間の歴史は、大方、戦争の歴史とさえ言える。

●戦争の実相としては、人知を尽くす総力戦を戦うために、人間はやはり人知の限りの営為で様々な技術を進歩させてきた。戦場では、愚かしいことも崇高なことも交錯していたはずで、因果なことに人間はそうやって歴史を積み重ね文明を進めてきた。少なくとも人間の過去の歴史を眺める限り、戦争が全く起こり得ないというシチュエーションが、人間や国家・人類の未来にとってもまったき善かどうかは、じつはわからないくらいです。
    《石原慎太郎 「生きるという航海」
      他の著書「平和の毒、日本よ」》


●戦争に善悪正邪をもちこむと永遠に尽きない論争になる。原爆だけは天人ともに許さないとわが国が言えば、原爆のおかげで日本人は死なないですんだとアメリカ人は言う。この50年、何ごとも「話し合い」でと教えられたが、それが出来ないことかくの如しである。喧嘩両成敗。
       《山本夏彦 「その時がきた」》


●国際関係は、我々普通の一般社会、あるいは個人関係、あるいは法体系、正義や公正の理念、契約上の責任といった法的・思想的なアプローチでは決して取り仕切れるものではないということ。もっと大きな歴史の視野の中から、秩序の変容が起こるときに正義も実にたやすく変容していくからである。

●また国際社会にはそれぞれの国に正義がある、という大原則(国家主権)があり、その正義が衝突する時それを乗り越えるには、ムキ出しの力で一方が押さえつけるか、相手側の自発的な転換を気長に待つ以外ない、というのが今日でも変わらぬ実態なのである。
時代の流れによって正義があからさまに変遷すると同時に、各国の中に正義があり、公正の立場から国と国との間に正邪の差をつけることは、本来不可能なことなのだ。これが「根本の真実」である。

《中西輝政 「日本の『敵』」他の著書「日本人としてこれだけは知っておきたいこと」》


戦争とは一口に言えば、国と国との力のぶつかり合いに他ならない。その本来は相互的な暴力を、ただ一方の側の、自国のみに視線を向けて描き出したならば、どういうことになるか。信じられないほど愚かしく凶暴な自国の姿が現出する、ということになろう。
   《長谷川三千子 週刊新潮2005/8/11,18》


戦争というものは、そもそもの出発点から基本的な逆説をかかえている。すなわち、「死にたくないから戦争をせざるを得ない」・「生き延びたいから先手を打って開戦に踏み切らねばならない」。
こうしたパラドックスが出発点にあるからこそ、逆に「生き延びるつもりで始めた戦争で死んでしまう」という逆説も出てくる。

●国家というものは、それが国家であるかぎり、どうしても失っては困るもの、危険にさらしたくないものを抱え持っている。すなわち自国の国民の生命と財産を守らなくてはならない。だからよくよくのことがないかぎりは、むやみやたらに核ミサイルを発射したりはできないのだ。それが我々に最低限の「安心」を与えてくれる。

●かくして自らの命を大切に思う国民と、国民の命を大切に思う国家とが、歴史上くり返し戦争に踏み切っていったのだ。(必然的逆説) いくら自分では平和を願っているつもりでも、「死にたくない!」・「何としてでも生き延びたい!」という我執にもとづいて行為をすれば、それにふさわしい結果をもたらしてしまう。それだけのことである。
    《長谷川三千子 わしズム VOL.13》


●戦争とは悲惨なものである。じゃあ、戦争をしないためにはどこまで我慢できるか。その我慢が切れたら、結局戦争になってしまうのである。
    《小野田寛郎 産経新聞2005/8/15》


白人が神や正義を振り回さなくなれば、人類にとってこれ以上の福音はない。
       《高山正之 「世界は腹黒い」》

 
●我々生物は、自然に生んでいると雄が増えるのである。なぜか。戦争のためである。人類は歴史が始まって以来ずっと戦争をやっている。戦うのは男。戦場に行ってどんどん死んでいく。この歴史の摂理が出生時の性別に反映して、自然と男が多く生まれる仕組みになっているのである。
 《石堂淑朗 「日本人の敵は「日本人」だ」》


人類の諸悪の根源は移動するにある。
      《山本夏彦 「ひとことで言う」
         他の著書「茶の間の正義」》


●平和時の外交で国益が達成されないときに使うものが戦争で、外交と戦争は目的において違いはないのである。
       《日下公人 「闘え、日本人」》


●ガストン・ブートゥールという仏の人口学者は、戦争の唯一の原因は人口問題だと本に書いている。原因が何であれ、人口が過剰になって農地や資源が不足すると、昔からどの国でもどの民族でも戦争を始め、その結果たくさんの人が死ぬ。人口過剰が解決すると、やがて平和になったというのである。

●同学者…「若者比率の高い国が戦争を起こす」(「幼児殺しの世界」より)
15~25才の若者が全人口に占める比率が15%を越えると、その国は戦争をする。何らかの原因で10%以下に戻ると、戦争は止む。若者が総人口の15%も占めたら、
  ①食べさせるのに困る。
  ②若者は変化を望む。
  ③若者は闘争的である。
 その例として…
◇第三次・第四次中東戦争の時、世界で一番若者の多い国はイスラエルだった。移民を受け入れたからである。イスラエルに入ってくる人は若者ばかりだった。

◇1946,47年はアメリカでベビーブームの年だった。そのベビブーマーが20才の時に起こったのがベトナム戦争である。(若い失業者1人に職を与えるより、兵士にするほうが安価で簡単)

◇昭和15年の時点で、若者比率が15%以上の国を地球上に探してみると、それはドイツとイタリアと日本である。この3国に若者が溢れ返ったのは、1924年にアメリカが突然、移民の受け入れをストップしたことが大きい。

●人口論の例外は、第二次大戦後の韓国と日本である。戦争をする代わりに高度経済成長を遂げた。(韓国はベトナム派兵もした)若者が増えた時は、高度経済成長という捌け口を与えないと、戦争を始めてしまう。
    《日下公人
     「戦争が嫌いな人のための戦争学 」》

 
●ブートゥールの説が顕著に現れているのが、戦後のイスラエルである。ことに第三次と第四次中東戦争のときには、イスラエルは世界で一番若者の多い国だった。戦後建国されたイスラエルに移民してきたのは、若者ばかりである。(年寄りは今さら新しい環境で再出発しようと思わない)若者比率が高いのはパレスチナの方も似ていて、どちらも若者が多いのである。

●多数のネズミを限られたスペースの中で飼い、だんだん食糧を減らしていく。飢饉が進んでいくと、ネズミはお互いに餌を争って殺し合って生き延びようとする。そのとき最初に死ぬのが若いオスで、その次が年寄り、そして次は妊娠しているメスや子供をたくさん産む若いメスが死に追いやられる。

●それだけ個体数が減っても、まだ食糧不足が続くとどうなるか。最後に残るのはごく少数の強壮な中年のオスと、若い純潔のメスだけになる。といってもオスがハーレムを作るわけではない。食糧不足が解消されたとき再び集団の数を増やすため、若いメスには手出しをせずに生かしておくのである。

●ブートゥールは、このネズミの他に野生のサルの社会でも同じように、まず子ザルから殺されてくと書いている。人口が多すぎる場合、元気で食糧をたくさん消費する若者が最初に減っていくのが生物集団のルールで、人間もまたその例外ではないという話である。

●15~25歳までの若者が全人口に占める割合が15%を超えた国は、必ずといっていいほど戦争を始める。そして人口の10%を切ると、自然に戦争が終わる。 (著者の調査)

●さらにこの説から考えていけば、戦争を防ぎ平和を維持する最大の方策は出生率をなるべく下げることで、もしもそれが不可能なら日本のように右肩上がりの経済成長をすることで、若者に就職という捌け口を与えるしかない。そう考えていけば、現代の日本はまさしく世界のお手本である。
       《日下公人 「闘え、日本人」》


●つまり早い話が、食べ物がなくなったら戦争になる。ライオンだっておなかいっぱいになれば、人は攻めない。
       《柳昇 「5時間討論:平和」》






●フランス革命やロシア革命が単なる無秩序な暴力と区別されるのは、それらの革命が市民社会や社会主義国の建設に貢献したと考えられているからである。実際に起こったことは暴力であっても、そこに歴史を発展させる方向性があったと見なされることで正当化されている。
この歴史への貢献という考えは、現実ではなく、現実の解釈である。フランスに起きた騒乱が市民社会の成立と結びつけて解釈された時、暴動ではなく革命と呼ばれたのだ。

●人は本能のままに動くことができない。何らかの言語的正当化(物語)を必要とする。それはたとえ勝手なものであれ、他人と争う際には誰もが自分の正しさを主張することでもわかる。だから人間同士の闘争は、正当化をめぐる言語的なものとなる。
      《大城信哉 「ポスト構造主義」》


●長谷川三干子氏…「ヒューマニズムを唱える人は『人間らしく』と言いますが、戦争は人間だけが背負っている業なのです」
     《小林よしのり
       「新ゴーマニズム宣言(6)」》


●私は湾岸戦争中、特にイラク・ヨルダンを取材したせいもあってか、イラクの主張していることにも一部の裡があることを痛感した。「同じアラブ人であるわれわれがいくつもの国に別れ、そのうちの湾岸の石油成金の国だけがいい目をしているのはおかしい」というイラクの主張は、アラブ人の心をうつものがあったのは事実である。
真実というものは、そういったいくつもの面を総合的に見ないとなかなか見えてこない。
    《石田収 「新聞が日本をダメにした」》


●戦争をたんに利害の衝突とみる者もあるが、そんな簡単なものではない。敗けた方が、侵略のままにまかせた方が、下手に戦うより楽な場合だってある。それをなぜ人類は性懲りもなく戦争を繰り返してきたか。それは自国の文化を守るためであろう。自分の気質を守るためであろう。
       《福田恆存 「日本への遺言」》


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