歴史教科書歴史教科書で、日本の「負の部分」を
載せる載せないで議論になっている。 教科書とはどうあるべきなのか。 そして文科省の教科書検定の問題とは… |
●よしんば多少の殺戮があったとしても、なかったと言うのが健全な国民である。イギリス人は小中学生に、イギリスが世界中に領地を持ったのは、南アフリカでは首長に懇望されたからであり、エジプトでは王の苦しい財政を助けるためであり、インドでは(以下略)と教えている。 ●どこの国でも自分の国の非をかくすのが当然であり健康である。故に健康とはイヤなものである。ソ連も中国も自国の非を青少年に教えない。国民の「誇り」はこの虚偽の上にあるのである。 ひとり日本人だけはありもしない自国の非をあばいて直とするのは、良心的だからである。そして誇りを失ったのである。 《山本夏彦 「その時がきた」 他の著書「茶の間の正義」》 ●日本が突然発狂して対米開戦したというような歴史教育では、日本はいつ発狂するかもしれないと思われてしまう。 《屋山太郎 「なぜ中韓になめられるのか」》 ●殆どの国民が幼少時に読む歴史教科書と、厳密な方法論による歴史研究とは、区別されてしかるべきだろう。現在の歴史論争は、「歴史」をどう捉えるかによって大きくすれ違ってしまっている。私は歴史教科書と歴史研究のダブルスタンダードを認めるべきだと考える。国民意識形成のための歴史と個々の研究課題としての歴史は、別であっても少しもかまわない。 《東谷暁 正論2009/5月号》 ●私の娘はジュネーブの日本人学校で教えているのだが、日本から来た子供たちが「日本人は悪いことをした」と洗脳されているのを解くのが大変だ、といっていた。「日本は本当は立派な国なのだ」と教えると、本当に誰もが喜ぶそうである。 《渡部昇一 Voice2013/4月号》 ●子供の教科書でも、歴史は確定された動かない1つの世界ではないこと、1つの事件でもいろいろな見方が可能であることなどを、きちんと最初に説明しておくべきだろう。 《西尾幹二 「歴史教科書との15年戦争」 他の著書「自ら歴史を貶める日本人」》 ●朝日新聞は、自社のパンフレットに「サンゴ問題」を載せるのか。 《井沢元彦 「逆説のニッポン歴史観」》 ●例えば、自分の子供に「うちのお父さんはとんでもない前科者で、悪いことばかりしたんだよ」と言う人はいない。こんなに優しくていいところがあるよ、ちょっと大酒のみだよと。そこからだんだん大人になると、実はちょっとひどかったんだよ、ということになる。これは教育の基本。 だから初等・中等教科書は、自分の国が好きになる・誇りを持たせるということに主眼を置くべき。 《クライン孝子 「なぜ中国人韓国人に媚びるのか」》 ●アメリカの歴史教科書の帝国主義に対する部分… 「人間の活動や関心は、成長するにつれて変化するものだ。少年期は学業・スポーツ・パートタイムの仕事が関心事だろうが、青年期になれば、職業を持ち結婚をし家庭を養う。より良い仕事につこうとし、政治参加・地域活動・さまざまな活動に参加する。国家も同じように、強国になれば活動も違ってくる。若いアメリカは、未開の地を開拓し、西方へ道をたどった。産業も発展させた。そうすれば国家の関心が世界に向けられるときがやってくるのは、当然であろう」 《西尾幹二 「国民の歴史」 》 ●村山政権下で検定合格した歴史教科書は、そのトンデモ度が際立っている。それは慰安婦の強制連行といった虚構が堂々と掲載されていたというだけでなく、歴史観全体がトンデモないのだ。 例えば、平成8年4月に合格して平成13年3月まで使用されていた中学歴史教科書(教育出版)の各項目タイトルには、次のようなものがあった…
◇「国司をうったえた人々-貴族の政治」 (平安時代) ◇「地頭をうったえる農民」(鎌倉時代) ◇「新政府をうったえる」 (室町時代) ◇「立ち上がる農民-戦国の世」(戦国時代) ◇「たたかう一向一揆-信長・秀吉の天下統一」 (安土桃山時代) ◇「百姓一揆の高まり-生活を切り開く民衆の 抵抗」 (江戸時代) ◇「農民や士族の抵抗-高まる政府への不満」 (明治時代) ◇「高まる民衆運動-民衆と政党政治」 (大正時代) ●日本の歴史を通じて、民衆・農民がいつも「うったえ、立ち上がり、たたかい、抵抗する」というストーリーである。「今日までのあらゆる社会の歴史は、階級闘争の歴史である」というのは、マルクス・エンゲルスの「共産党宣言」第一章の有名な書き出しだが、そのままの歴史観が描かれている。 さすがにこのような露骨な記述はその後の検定で姿を消した。しかし、現在日本の中学生の大半が使用している歴史教科書(東京書籍)も、程度の差こそあれ同様の歴史観に基づいて記述されている。 《八木秀次 SAPIO2006/12/13》 |
※関連ページ : 「日教組」も参考に |
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