日本への弁護世界では東京裁判はどう評価されているのか。
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●国際連合国際法委員会という国際法については最も権威ある機関でさえ、A級戦犯の裁判を事後法に準拠している点において「遺憾とすべき事柄である」と批判している。 《屋山太郎 「なぜ中韓になめられるのか」》
●東京裁判・ワーレン弁護人…「柳条湖事件を中心とする満洲事変は、既に歴史の中で(塘沽協定により)片づき、終了したものと見なされており、ポツダム宣言もまた欺る古い出来事は問題にしないという趣旨のものだったはずである。然るに検事側はこの事変までをも訴追の対象としている」 《小堀桂一郎 「東京裁判の呪ひ」 他の著書「東京裁判幻の弁護側資料」》
●クインシー・ライト… 「宣戦布告の責任を一個人、ないし個人の集団に帰することは困難である。大臣は立法府に対する責任のもとに行動し、さらに立法府は選挙民に対して責任を負う。民主主義の時代においては、個人をもって国家的な宣戦布告に対して責任のあるものとしようとすれば、当然その国民全部を起訴することになろう。この実際上の困難が、その結果として、国家の権能のもとに行動する個人は国際的裁判権から免除される」 《田中正明 「パール判事の日本無罪論」》 ●ウェッブ裁判長(オーストリア)は、後日「天皇の陰謀」(デイヴィット・バーガミニ著)の序文でこう述べている… 「私は日本が1941年に戦争に訴えたことを非難するいかなる権利をもっているのかと自問することが時折あった。私は日本が9000万人の住む小さな土地で、耕作できる面積はその15パーセントに過ぎず、外部から激しい貿易制限や規制を受けていたとの弁護士の論述に多くの正論と酌量の余地を認めた。私は米国なり英国なりが同じような状況に置かれたらどのように反応したか、それどころか国民がどのような反応をすることを望んだかを考えてみた。米国も英国も、日本が1941年に置かれたような状況に置かれれば、戦争に訴えていたかもしれないのである」 《三宅久之 「『日本の問題点』をずばり読み解く」他の著書「三宅久之の書けなかった特ダネ」》 ●マッカーサーのアドバイザーを務めたウィリアム・シーボルド総司令部外交局長… 「本能的に私は、全体として裁判をやったこと自体が誤りであったと感じた。…当時としては、国際法に照らして犯罪ではなかったような行為のために、勝者が敗者を裁判するというような理論には、私は賛成できなかったのだ」 …役職上は東京裁判を支持し遂行しなければならない立場の人物でさえ、このように批判したのだ。彼は抗議の意思を表すため、東京裁判が終わるまで再び法廷には戻らなかった。 《櫻井よしこ 「この国を、なぜ、愛せないのか」》 ●レーリンクは日本に在任中、GⅡ(占領軍総司令部・参謀第二部)の長であったウィロビー将軍とテニス仲間として親交を結んだが、任務終了して帰国に先だち別れの挨拶のためウィロビーを訪ねた時、ウィロビーは「この裁判は、有史このかた最悪の偽善であった」と語り、さらに、この種の裁判が行われる以上、自分の息子には軍務に就くことを許さないと述べた。 ●ウィロビーが言わんとしたのは、日本が開戦直前に置かれたような状況にもしアメリカが置かれたなら、アメリカとても同様に戦争を遂行したであろうし、その結果敗戦したら、重要な責任ある地位にあった軍人が戦犯として裁かれるというのは許し難いということであった。 《佐藤和男 「世界がさばく東京裁判」》 ●ウィロビー将軍はマッカーサーの熱烈な信奉者であり、対日謀略や検閲を担当するなど、占領政策遂行の上で重大な役割を果たした人物である。その将軍から見ても、東京裁判のやり方は「歴史上最悪の偽善」と映ったのである。 《江崎道朗 〃 》 ●レーリンクは1973年の石油危機の際の実例を挙げ、アラブ諸国側がアメリカへの石油供給の打ち切りをもって脅迫した時に、アメリカは軍事力行使の威嚇によってこれに対応し、国防長官シュレジンジャーが74年1月の演説の中で「石油供給の安全を確保することは軍部の責任であるから、石油供給を守るため軍事力が行使されるリスクが存在する」と述べた事実に触れている。 ●そして博士は、開戦前の日本への連合国側による石油輸出禁止措置に言及し、日本はその石油事情からして2つの選択肢しかなかったこと、すなわち、戦争を回避し自国の石油ストックが底をついて、自国の運命を他国の手に委ねるか、あるいは戦争に打って出るかの二者択一を迫られていたことを指摘し、その結果遂に日本は開戦に踏み切ったのだが、ウィロビーが語ったのは「自国の死活的利益がこのようなかたちで脅かされる場合には、どこの国でも戦うだろう」ということだったと結んでいる。 ●アメリカにおける東京裁判批判の決定打となったのは、歴史学の権威であったチャールズ・ビアード博士が1948年、アメリカの公式資料に基づいて「ルーズベルト大統領と第二次世界大戦」なる著書を発表したことであった。博士はその中で「日本が真珠湾を攻撃するより数ヶ月前にルーズベルト大統領はアメリカをして海外に秘密なる軍事行動をなさしめた」と指摘し、戦争責任を問われるのは日本ではなく、ルーズベルト大統領だと訴えたのである。 《佐藤和男 〃 》 ●エジプトのリファート博士(国際法学者)…
「(厳密な定義が確立されていない以上)”侵攻的”という語のもつカメレオン的性格は、敗戦国側の指導者を意味するだけのものとなるだろう。だとするならば、国際体制の中に危険な原理を導入し、国際社会における平和的関係を妨害することになるのである」 《江崎道朗 〃 》 ●ハンキー卿(英国枢密院顧問官で国際法の権威)…「裁判官パール氏の主張が絶対に正しいことを、私は全然疑わない」 《産経新聞2005/8/1》 ●アメリカで最も尊敬された上院議員の1人であるロバート・タフトは、ニュルンベルク裁判が終わった1946年10月の講演で、事後法によって勝利者が敗北者を裁判して処刑することは、将来の侵略戦争の発生を食い止めるのに役に立たないことを指摘した。その理由は、侵略戦争を起こす者はつねに勝つという自信を持って行うからである。そして「ニュルンベルク裁判は、正義の実現でなく、復讐心の発現であり、ドイツ戦犯の処刑はアメリカの歴史の汚点となるものであり、同じ過ちが日本において繰り返されないことを切に祈る」といっている。 《岡崎久彦 「吉田茂とその時代」》 |
【東京裁判】 ★公正な裁判とは/東京裁判と比較 ★不当な裁判/裁判の体をなしていない茶番 ★戦犯とは/ABCランクの意味 ★A級戦犯/誤解されている人物像 ★侵略戦争とは何か/いまだに定義されていない事実 ★パール判事/唯一理性的だった判事 ★日本への弁護/近年の東京裁判に対する世界の評価 ★東京裁判の本質/誰も評価していない単なる復讐・見せしめ裁判 ★東京裁判受諾/誤解されているその意味 ★B・C級戦犯とは/その区分と悲惨さ |