賢者の説得力ホーム東京裁判東京裁判の本質

 

東京裁判の本質

今日、そして当時でさえ
世界から批判を受けていた
この裁判の本質は、
結局どういうものだったのか。


●東京裁判というのは、太古の昔から戦争につきまとう「みせしめ」の儀式であった。だから不当と詰るのは適切ではない。詰られるべきは、東京裁判を「みせしめ裁判」とまだ認定できていない戦後日本人の方である。
《西部邁 「国民の道徳」他の著書「どんな左翼にもいささかも同意できない18の理由」》



●アメリカは西部開拓時代に、リンチで殺すわけにはいかないため、形だけの裁判をして吊すということがあった。いわばそのようなもの。
    《渡部昇一 「渡部昇一の新憂国論」》



●東京裁判の治ショーとしての役割は、日本国民に向けての性格も持っていた。
彼らが指導者と仰いだ者たちを裁きの庭に引き出して糾弾してみせる。検察の口からその罪状を並べさせ、統制下にある新聞・ラジオに大々的に報道させることは、日本国民に過去の体制と決別させ、占領軍への忠誠を誓わせるための絶好のパフォーマンスとなった。
        《福田和也 「地ひらく」》



●東京裁判の法的根拠は、すでに確立されていた国際法によるものではなく、マッカーサーの命令に過ぎない。駐日アメリカ軍が作成した条例に基づいて行われた「裁判」だった。つまり裁判という形をとってはいても、これは「占領行政措置」なのだ。
      《渡部昇一 「自ら国を潰すのか」
        他の著書「日本を嵌める人々」》



●東京裁判は、占領軍の武力で断じられた単なる実力行使にすぎないのである。講和条約が発効した1952年4月まで日本と連合国の間では、法律上戦争状態が続いていたのであり、戦時下に行われた”裁判”はいわば戦闘行為の一環でしかない。「A級戦犯」の処刑も、日本に進駐してきた連合国軍が日本人を捕虜にして殺害した戦闘行為、いな戦闘行為でないならば、それは捕虜の処刑という明白な国際法違反行為であると言わねばならない。   

《中西輝政 「靖国と日本人の心」他の著書「日本人が知らない世界と日本の見方」》



●林房雄…「東京裁判は、戦争史にも前例のない捕虜虐殺であった」
        《西尾幹二 「歴史と常識」》



●連合国側は日本が負けたことを奇貨として、アジアで戦争を起こしたのは全て日本が悪いんだという印象付けを行いたいために、東京裁判ショーを開き日本を一方的な悪者に仕立て上げた。自分たちがアジアで長期間さんざん悪さをしてきたことを隠蔽し、全ての責任を日本に押し付けた。
            《諸君!2002/2月号》


●もちろん日本からの働きかけも執拗にあっただろうが、アメリカが積極的に天皇を守ったという印象はある。天皇は「平和主義者で、侵略戦争の決定には関係していない」というのがアメリカの説明の定式だった。

●東京裁判とは、所詮はそんな風にさまざまな政治的妥協の上に成り立ったもの。つまり所詮は「政治」だということである。「正義」にこだわるのは馬鹿馬鹿しい。日本人は裁判に対してかなりナイーブなところがある(神聖視する)。事実が追求され、正義が実現される場だと期待していた部分はある。
       《日暮吉延 諸君!2007/5月号》


「戦勝国による事実認定」は、日本の「言い分」を排除してかろうじて成り立った。「勝者の言い分」と、それを裏付ける証拠によってのみ歴史認定を日本に強いてきた。

●東京裁判は結局のところ、その後の国際法の進展に何ら寄与できなかった、それどころか、むしろ世界平和を希求する上で、さまざまな悪例・禍根を残すことになった…

①「戦勝国は敗戦国を、国際法を無視して断罪してもよい」という悪例を残した。

②「戦勝国は敗戦国民の人権は無視してもよい」という悪例を残した。東京裁判では、被告が当然認められるべき権利の殆どが認められず、いわば冤罪によって死刑を宣告されたに等しい。今でいえば重大な人権侵害にあたる。

③「戦勝国であるが故に戦争犯罪は免責される」という悪例を残した。
    《江崎道朗 「世界がさばく東京裁判」》

 

●東京裁判は「極東国際軍事裁判所条例(チャーター)」なる「条例」に基づいて行われた。実はこれは、単なる「マッカーサーの命令」なのだ。
    《小林よしのり 「いわゆるA級戦犯」》


●戦争とは、クラウゼヴィッツが定義した通り「外交の延長」にほかならず、各国が力ずくで自国の利益を追求する営為に過ぎない。善悪を言い出せば互いに臑に傷を持つ身であるし、なによりも勝負がついた後に敗者をいたぶるのは、ヨーロッパでは騎士道精神に反する下品な行為としか思われなかった。

●けれどもアメリカにとって戦争は(たとえそれが本質的には営利を追求するための行為であっても)、善が悪を倒す行為でなければならない。敗者は倒されるだけでなく、悪として、邪なものとして罰されなければならない。(例:第一次大戦でアメリカ派遣軍司令官J・パーシングは、ドイツからの休戦提案を拒絶してベルリンまで進撃し、カイザーを裁判にかけるべきと主張して、ヨーロッパの指導者たちを呆れさせた)
    《福田和也 「日本の論点2006」》

 
●国際法の見地から見ると、「東京裁判」とは戦勝国が占領中に敗戦国の指導者だけを事後法で裁いた、連合国の「軍事行動(戦争行為)」である。戦時中の捕虜は「アムネスティ条約」で大赦されるのが国際法の原則である。戦争していた国々が講和に至った時、国家間に燃え上がった憎悪・怨恨感情を鎮めるために、様々な国際条約の中にアムネスティ(大赦)の慣習法が成立していた。
   《小林よしのり SAPIO2006/9/27》



【東京裁判】
公正な裁判とは/東京裁判と比較
不当な裁判/裁判の体をなしていない茶番
戦犯とは/ABCランクの意味 
A級戦犯/誤解されている人物像
侵略戦争とは何か/いまだに定義されていない事実
パール判事/唯一理性的だった判事
日本への弁護/近年の東京裁判に対する世界の評価
東京裁判の本質/誰も評価していない単なる復讐・見せしめ裁判
東京裁判受諾/誤解されているその意味
B・C級戦犯とは/その区分と悲惨さ