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リットン調査団

中国は日本に満州を侵略されたと
国際連盟に提訴する。
それによって連盟はイギリスのリットン伯爵
を団長とする「リットン調査団」を結成し、
満州事変と満州建国への調査に乗り出した。
そして日本は、その調査結果を不服として
国際連盟を脱退するに至る…


●リットン報告書も、要するに満州国の独立は認めないけれども、日本の潜在的主権は認めるということになっている。これは当時の外交的常識だが、中国本土と満州は別だということも認めている。

●歴史的に中国と一体でないと。だからリットン調査団は、中華民国の名目的な主権は認めるけれども、実効支配は認めない。それに日本が後見をする自治政府は作ってもいいという条件になっていた。
        《福田和也 「国家と戦争」》
      (他著書「俺の大東亜代理戦争」)


●リットン報告書…「本紛争に包含せらるる諸問題は極度に複雑である。一切の事実とその史的背景に関する徹底した知識ある者のみが、事態に関する確定的意見を表示しうる資格がある」
 《朝日新聞東京裁判記者団 「東京裁判」》


●リットン報告書は、この事変は世界に類例のないケースだから、この問題をよく知っている人でなければ判断を下す資格はないと言っている。

  《渡部昇一 「国を愛するための現代知識」》
    (他著書「決定版人物日本史」)


●リットン報告書は、中国という国の国家たり得ぬ現実を指摘している。また中国人の国民性としての排外的性格にも問題があった、とも指摘している。
            《伊藤哲夫 産経新聞》
 


調査団が集めた事実を証拠として使えば、むしろ日本は、中国を世界平和を乱した罪で告発さえできる。 
 《ヘレン・ミアーズ 「アメリカの鏡・日本」》


●リットン調査団の提出した妥協案というのは、結局満州を国際連盟の委任統治的な地にするということだった。

●このまま日本が独占的な占領を続けるのは、連盟規約を正面から破るのを認めることになるからそれはできない。ただし、一旦中国に返還するけど、中国にはここを統治する能力がなさそうだから連盟の委任統治とする。

●そうすると南洋群島と同じように、事実上日本の領土になったはずである。ところがこの時日本の世論は興奮状態で、そういう筋道を考える余裕はなかった。

        《秦郁彦 「昭和史の論点 」》
   (他著書「慰安婦問題の決算 現代史の深淵」)
 


●リットン調査団は、一応は日本側の顔を立てつつ、半分賛成・半分反対という曖昧な決着となった。
  《小滝透
   「日本人はなぜかくも卑屈になったのか」》
    (他著書「戦後70年日本転覆思想史」)


●リットン調査団…満州国を今さら元には戻せない。問題ありだけど、一応タテマエは国際連盟の管理にして、現実には日本がやっていくという形がいいんじゃないか…という意味。しかしこれほど日本に好意的なのに、日本は呑まなかった。
         《田原総一朗 「愛国心」》
           (他著書「日本の戦争」)


●外交文書は、様々に技巧を凝らして本音を洩らさないのが通常である。お菓子を遣るにも、まず説教をしてからというわけだ。報告書は結果として満州国を認めているのに、馬鹿正直な日本の軍部はそれを読み取れなかった。
 《谷沢永一 
  「『新しい歴史教科書』の絶版を勧告する」》
 (他著書「歴史が遺してくれた 日本人の誇り」)


●報告書を読むと、調査団はたしかに満州国の独立は認めなかったが、日清戦争にまで遡って日中の立場と両国の歴史を極めて公正に分析している。報告書のどこにも、現在の日本や中国で言われている”邪悪な日本の軍国主義VS気の毒な中国”の単純構図で事変を分析している部分はない。

●それどころか、世界規模でパワーバランスが変化した19世紀に、中国は孤立主義を脱すべきだったにもかかわらず、「此新なる接触に応ぜんとするの用意無かりき」と批判され、日本は「自己の古き傅統の価値を減ずる事なく西洋の科学と技術を同化し西洋の標準を採用したる速度と完全性は遍く賞嘆せられたり」と称賛された。

●調査団は、その日本を攻撃した国民党の激しい反日政策・教科書・人民外交協会など、社会の各層で鼓舞された抗日反日運動が、中国人民の感情の自然な盛り上がりというより、国民党政府の政策だった面を指摘した。反日教育は往時も今も、中国不変の国策なのだ。
      《櫻井よしこ 産経新聞2006/3/9》
  (関連書籍「国会議員に読ませたい敗戦秘話」)


●リットン報告書は、もちろん満州国の独立は認めないが、80%日本が正しいと言っている。中国は法律も約束も守らない、進化していく文明に追いつこうとしないで怠惰な民族であるとさんざん書かれている。そして日本のことを信じられないくらい賞賛している。…つまり、中国は日本に見習えを言っているのであり、これがリットン報告書を貫く考え方・判断なのである。
      《櫻井よしこ 諸君!2006/6月号》


●満州事変は自衛といえば自衛なのだ。リットン報告書を読めば、そういう情況だったということもちゃんと書いてある。だから妥協策として、満州をそのまま独立させないで、一種の特殊地域にして日本の影響下におこうというのがリットン報告書の骨子である。

●キッシンジャーの「外交」という大著には、譲歩をして日本が受け入れられるようなようなものをつくったのだけれども、それでも日本は受け入れなかったと書いている。
 《岡崎久彦
  「これだけは譲れない 歴史教科書10の争点」》


●満州を、日本を含めた列国の国際管理下に置くことが提案されたことに対し、日本は譲歩することはできなかった。在外資本の半分以上が集まり、「日本の生命線」とまでみなされていた満州を死守することこそが、日本の第一の国策だったからである。(当時の日本国の共通意識) 日本は、国家の体をなさない中国にあって邦人の安全確保のために軍備が必要なこと、満州国独立に日本は関知していないとして、リットン報告書を否定した。

   《八木秀次 「図解 一目でわかる現代史」》
      (他著書「国家再生の哲学」)






●リットン報告書…
◇「日本はシナの無法律状態により他の何れの国よりも苦しみたり」

◇「満州における日本の行動および方針を決定せしものは、経済的考慮よりはむしろ日本の安全に対する重大なる懸念なるべし」

◇「使用せられたる方法の技巧を検討するに、ボイコットの成功に必須なる民衆感情の雰囲気は、『仇』国に対する民心を刺戟するため巧妙に選ばれたる標語を用い、全国にわたり統一的に実行せられたる猛烈なる宣伝により創出せられ居るを見る」


●オランダの中国問題専門家でリットン委員会の専門委員も務めたアンジェリノ氏が、国際連盟事務次長の杉村陽太郎氏に会って述べた発言の記録…

「自分としては、既往数年間における支那側の抗日的態度、殊に中村大尉事件のごときに対し、日本の軍人達が癇癪を起こし、支那側に一撃を加えたるは真に無理からぬことと信じ、ことのあまりに当然なる、いささかも非難の余地なきものとの見解を有す。

幣原外交の実績に徹するも、支那側は日本の好意に甘え、不当に付け上りたり。この一事に対しては、委員会内の意見一致し、何人も異議を挿み得ず。従って日本側においても、9月18日の事件が正当防衛に出でたりとか、または満州建国は3千万の意思に基く民族自決の結果なりと言うがごとき点に力を注がるる代りに、支那側の無暴摘発、之に対しやむを得ず種々権宜の措置に出たるゆえんを率直に記述せられる方、形勢を有利に展開し得べきかと思考す」

      《田久保忠衛 諸君! 2006/2月号》





 
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